【刀剣乱舞】生き返って絶望した

Fine LIFE 38 ページ38

『…なぁ主。そんなに泣かないでくれよ。
君には笑った顔が一番だ。』


涙で顔を濡らしながら嗚咽を漏らす彼女のそれは安堵からなのか。それとも得体のしれなかった私への恐怖なのか。


それは迷うことなく前者だった。



「私…貴方のこと何にも知らなかった。」

次第に落ち着いてきた彼女は静かに話した。

『しょうがないよ。
話さなかったのは私だ』


「違うの。私が貴方のことを知ろうともしてなかったの」


「…けど無名も人間なんでしょ？
戦場での戦いは怖くないの？」

『そりゃ私も怖いさ。人間どうこうということより付喪神の彼らも怖いと思うよ。怪我をするのも怖いし、折れるのも怖い。


だけど君は言った。
折れない。折らせない。

でも万が一戦場でこの命が散ろうとしても後悔はしないよ。

君を守る為に喚ばれた命。

君を守る為に使えるなら本望だよ。』





なぁだからそんなに泣かないでくれよ。

せっかく泣き止んだのにまた畳を君の淡い雫に濡らすのかい？


でも、今夜なら無礼講。
君も私に聞きたいことが多くあるだろうし話したいことも多くあるだろ？



私も現世の話を君としてみたいな。







私の肩に両手でがっしりとしがみつき飛び込んで来た君をしっかり抱きとめる。



『今なら出血大サービスだ』



今夜はたくさん話をしよう。




.

Fine LIFE 39→←Fine LIFE 37

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す