第壱頁 ひとかくし ページ33
「聞いた？
山の方で人が野犬に襲われたんですって
寒くなって餌がないのかしら
田畑を荒らさなきゃいいけど」
「見つかった時には
ぐちゃぐちゃだったそうよ
嫌ねぇ」
そんな噂が飛び交う中、物部書店は営業していた。
？「よぉ物部！
近頃すっかり寒くなったなぁ！」
シロ「あ！たかとーだ！」
たかとー(？)「やぁ、シロ君は
店の手伝いか？偉いな！」
物部「...高遠」
以前、『小路』という本を探していた青年＿＿＿高遠。
物部「来るたびによくこれだけ
買い込むな。学生ってのは
よっぽど暇かよ」
ｶﾞﾗｶﾞﾗ
奥から少女が出てきた。
？「高遠さん、いらっしゃい」
高遠「ﾚｲちゃん」
ふわりと高遠に微笑むﾚｲ。
ﾚｲ、彼女も物部書店を手伝いさんだ。
ﾚｲ「どんな話を？」
物部「学生ってのは暇なのかという話」
高遠「失礼だなぁ
これには訳があるんだよ」
物部・ﾚｲ「「訳？」」
・・・。
高遠「あ、あぁ、親戚筋に病気がちな
奴がいてな、歳が近いのもあって
兄妹のように育ったんだが
そいつが本を読み聞かせると
えらく喜ぶのさ。まぁそれが
高じておれも今じゃ読書家だ」
物部「ふぅん...」
興味の無さそうな物部。
そこで高遠が声をあげた。
高遠「あっ」
物部「？」
ﾚｲ「どうかしたんですか？」
高遠「しまった。父の遣いを
頼まれていたのを忘れていた。
まずいな...
早く帰らないとアイツが...」
物部「それほど距離が無いなら
届けてもいいが」
高遠「えっ？いやしかし店があるだろ？」
物部「見ての通り閑古鳥だ」
物部の言葉の通りに高遠以外の客はいない。
高遠「はは...」
乾いた笑いしか出てこない高遠。
高遠「それじゃあ頼んでもいいかな...
ただ...
近頃夜中になると、屋敷の周りで野犬が
出るようなんだ」
＿＿＿＿夕暮れまでには
帰ってきた方がいい＿＿＿＿＿＿
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Reise(プロフ) - とっても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2022年1月8日 20時) (
レス) @page34 id: 419824da4b (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - え、最高やんけ…好きな漫画の小説なんて最高すぎるやろ (2019年4月18日 21時) (レス) id: b80cfcff24 (このIDを非表示/違反報告)
包帯無駄遣い迷惑噴出機(プロフ) - ゆいぽーさん» ゆいぽーさん有難う御座います！これからも頑張りたいと思いますので宜しくお願い致します！ (2018年4月1日 19時) (レス) id: 7a88606d9f (このIDを非表示/違反報告)
ゆいぽー - 面白いです！(●´ω｀●)更新頑張って下さいね！ (2018年4月1日 18時) (レス) id: b252799d53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒幕 | 作成日時：2017年10月22日 0時
