不良少女は道化師

第３５幕　彼の正義感 ページ45

玲は気を取り直して

(貴「貴女の御名前を伺っても宜しいですか？(まあ、知ってるけど)」

(信子「名乗り遅れました。佐々城信子と申します。東京の大学で教鞭をとっております。」

(敦「12人目の被害者という事ですか。」

(貴「貴方を誘拐した犯人の顔は見ましたか？」

太宰がこう訊く事を知っている玲は太宰より先に訊いた。

(信子「すみません。駅で急に気を失って、気が付いた時にはこうして水槽の中で溺れかけていました。」

(国「太宰、この状況をどうみる？」

(太「佐々城さんの格好が...と云いたい処だけど、玲ちゃんの格好が一番エ●イ」

(貴「///」

(国「真面目にｯ！」

(貴「俺はこの状況が"出来すぎている"と思います。」

(国「そうか。」

(信子「そうだ。」

佐々城が何かを思い出したかのように国木田の方を向いた。

(信子「此処には私の他にも誘拐された方が居る筈です水槽で溺れかける前に確かに声を聞きました。」

(国「何ｯ！」

玲は亦、それを訊くなり、走り出した。

(国「黒月ｯ！」

国木田、敦、太宰が玲を追い掛ける。

❲ﾊﾞｧﾝ❳

(貴「居た。此処ですｯ！」


(人質「助けてくれえ。」

(人質「＿＿＿＿＿＿＿.」


(国「＿＿＿＿＿＿＿＿＿.」


周りの声と音が聞こえなくなった玲。

国木田が叫んでいる。


人質が助けを求めている。



(貴「下がって、敦さん。国木田さんｯ！」

ガスが広がる。

太宰が国木田を人質が閉じ込められている硝子の傍から離そうとしている。









(国「離せｯ！太宰ｯ！









人は此のような事で死んではならんのだｯ！」









国木田のその発言に玲は肩をﾋﾞｸｯと震わせた。









(国「離せｯ！離せぇぇぇぇぇぇぇぇぇｯ！」









第３５幕fin

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