不良少女は道化師 (ページ32)

今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:56,499 hit

第２６幕　大切な兄ページ32

貴方side

は？兄？乱歩さんが？

おいおい、そういう展開かよ。

そう思いながらも乱歩さんを見る。

乱歩さんは納得しているようだ。

(国「あの乱歩さん。其れは事実ですか？」

国木田さんが控えめに訊く。

(乱「彼の云っている事は事実だね。僕には妹がいると母上が云っていたけど。幼い頃に妹が養子に行ったんだ。」

すると、水木が急に嗤い始めた。

正直、キモい。太宰さんより嗤い方がキモい。←(玲ちゃん、酷いｯ！by 太宰)

(水「こんな近くにお前の兄が居たとはな...兄の方は、ちと面倒だ。......消えろ。」

水木が銃を構える。銃口は

(国「乱歩さんｯ！」

国木田さんが叫ぶ。

(水「動くな。」

国木田さんが動くのを止めた。

あの侭じゃ、乱歩さんが撃たれる。

俺の躰が動いた。次の瞬間、銃声が探偵社に響いた。

乱歩side

鮮血が飛び散って、僕の顔に付着した。

誰の血かって？

妹の玲の血だ。

玲は撃たれる前に太宰を押し退けて、

僕を庇った。

守りたい。

守りたかった。

守れなかった。

何で僕を庇ったの？

庇わなくても善かったのに。

僕の異能は此処では無力だ。

(貴「らん......ぽ...さ」

玲が喋る。

(乱「喋らないで。...国木田。」

国木田と僕は目だけで会話をした。

国木田は水木に近付いたと思えば、水木の拳銃を蹴り上げ、水木に背負い投げをした。

水木はこのあと、軍警に引き取ってもらった。

亦、家族を失うなんて嫌だよ。

僕を残して逝かないで。

寂しいよ。

玲はぐったりとして動かない。

(乱「脈はある。国木田、与謝野さんに連絡して。」

どうか、御願いだ妹を助けて。

第２６幕fin