不良少女は道化師

第１２幕　彼には聞こえていた ページ16

貴方side

(太「君は私達の居た茶屋での事、覚えているかい？」

(貴「はい。眼鏡の長身さんが敦さんを押さえていました。」

太宰さんはニコリと笑った。

(太「そうそう。君、あの時驚いていなかったね。何故だい？」

目が......目が嗤ってねぇｯ！

怖ェｯ！


(貴「勘です。...勘...か......ん...か...嗚呼ｯ！もうｯ！判りましたよｯ！云えば良いんだろ云えばｯ！」

俺がひたすら”勘”と云えば

太宰さんは黒い微笑みを深くしていった。

(太「で、本当は？」

俺はﾊｧと溜め息をついた後、

(貴「異能力？でしたっけ？俺も能力を持っているみたいで......えっ......と、能力を使って未来を見た。だけ......です。」

俺は道化(ピエロ)即ち、役者。唯の役者。自分を演じていれば良いだけの事。
人とあまり関わらなければ良いだけ。それだけの事。家族は先生だけ。それで充分。我が儘なんて云わない......否、云えない。
　

第１２幕fin

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