不良少女は道化師 (ページ42)

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第３２幕　(敦「タ」(太「ク」(国「シー」(貴「・・・。」ページ42

(国「＿＿＿嗚呼、宜しく頼む。」

国木田は携帯を切り、

(国「タクシーを呼んだ。此れから依頼の＿＿＿＿＿＿

玲は国木田と太宰が話していたが耳に入らなかった。

転生トリップとは言えど、内容を全て知っている。

此の侭、物語が進めば

タクシーで廃病院まで行く。

佐々城信子に出逢う。

そして、最後は六蔵も信子も死んでしまう。

悶々と玲は考えていた。

自分はどうするべきかを。

だが、敦によって玲の思考は停止する。

(敦「玲ちゃん、タクシーきたよ？」

(貴「今行きます。」

変えてはならない物語。

判っていてもどうすることも出来ない。

自分の無力さに玲は迷っていた。

玲は太宰と敦の間に座っている。

(国「此の運転手も情報屋の一人で元は舞台役者だ。」

(運転手「全然売れなくて、それで転職したんです。」

(国「転職して正解だ。俺の知る限り、彼は誰よりも此のヨコハマの地に詳しいし、今回の連続失踪事件でも11人の被害者を乗せ、二人を失踪直前に目撃している。」

(運転手「目撃したと云っても港からホテルまで乗せただけですから。」

(敦「本当に誘拐何ですかね？身代金の要求もないし。」

(国「乗せた二人はこの人物で間違いないか？」

地味に国木田が敦を無視した。

そして、国木田は運転手に写真を見せる。

(運転手「えぇ、間違いありません。服装も同じです。」

すると、国木田の手から写真が消えた。

後ろを見れば国木田が先刻まで持っていた写真を太宰が持っていた。

(太「成る程。閃いた！見てこの写真、二人共眼鏡掛けてるじゃない？詰まりこれは、『眼鏡連続失踪事件』。国木田君の出番だよ。」

キメ顔の太宰。

(国「被害者の中には、眼鏡でない者もいた。共通点とは云えん。」

(太「なぁんだ、やぁっと国木田君の出番だと思ったのにィ。」

その台詞で国木田は額に青筋を浮かべた。

(国「聞き捨てならんなその台詞。」

(貴「え"」

(国「俺は眼鏡以外で出番なしという事かぁｯ！ｺﾞﾗｧｧｧｧｯ！」

太宰がｸﾈｸﾈと動いている。

タクシーが急ブレーキをかけたようだ。

国木田が前にぶっ飛んだ。

(国「な、なんだ。」

(運転手「着きました。御指定の廃病院です。」

(太「良い雰囲気(ﾑｰﾄﾞ)だねえ。何か出そう。」

(国「何がだ！」

第３２幕fin