悪魔と恐怖（流血表現注意） ページ4
今すぐ戻ってこの事を知らせなければ、そう考え、来た道を戻ろうと振り返ったが思い留まった。
少しだけ、状況を見てみたい。突然、そんな事を思う。
特に深い考えは無く、単純なる興味本意だった。一体、悪魔とはどんなものなのか、どのような状況なのか、否、悪魔を呼び出した人物の特徴も確認しなければならない。そんな感情と考察を入り交ぜながら、少しずつ、声の方へ足を進める。
近くの大きな石に身を潜めて、ひっそりと視線を覗かせる。そこから見えた光景に、レイラは目を見張った。
ぐしゃ
『なに……あれ……』
思わずレイラは声を上げてしまう。
強い塩の匂いが鼻をかすめる海岸で見た光景は、幼いレイラにはあまりにも恐ろしく、非人徳的な光景だった。
その光景に恐怖を覚えると同時にこの場所に来た事を激しく後悔する。
レイラの大きな金色の瞳に、燃える様な赤が映る。
そして、そこには＿＿成人女性と、悪魔がいた。
「これが代償だ。お前程度の魂なら両目と両足と言った所だな。」
「……ぅ、あぁ……」
その女性は、脚が切断されていた。否、“吹き飛んだ”と言った方が正しいかもしれない。目からも涙の様に血が溢れ出している。ごろごろと転がっている女性の脚だったモノ。鉄臭い血の臭い。
レイラは込み上げてくる気持ち悪さと恐怖から溢れ出してくる涙を口を押さえて必死に堪えていた。逃げなきゃ、そう思っていてもレイラは既に腰を抜かしていて、立ち上がる事すらままならなかった。
なんなの、あれ。レイラは心の中で絶叫する。悪魔の姿は死角になっていてよく見えなかったが、足元に赤い魔法陣の様なものが描かれているのが見えた。どうしよう。こわい。こわい。こわい。
レイラは身を縮ませた。
「では、俺はこの辺りで去らせてもらうとしよう。」
「……ぁ、まっ……て……」
レイラは、硬く目を閉じ、手で耳を塞ぐ。これ以上何も聞きたくなかったし、見たくもなかった。
小さくか細い呼吸を何度も繰り返すと、レイラは何度も転びながら、来た道を戻り始めた。あの時、状況を見たいなんて思わなければ、海に、この海岸に来ようと思わなければ、
そもそも、外を出歩かなければあんな光景を見る事は無かったのに＿＿
自分の愚行を心の中で咎めながら洞窟を駆け抜け、田んぼや畑を駆け抜け、住宅街を駆け抜けた。
涙でぐちゃぐちゃになっているであろう顔を拭いながら上を見上げる。いつもと変わらない自分の家だった。レイラはその場に崩れ落ちた。
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亜美（別垢） - すふ丸さん» コメントありがとうございます( ´∀｀)AA君見た目可愛いしそれなのにお金にがめついってギャップあるし、クレール君もピアスやヘアバンドとか付けているのに性格が少しオカンな所とか二人とも素敵なキャラだったので使わせてもらいました！ (2018年8月18日 20時) (
レス) id: dea702fe4f (このIDを非表示/違反報告)
すふ丸(プロフ) - あああAAの野郎を出して下さり有難うございます！AAのキャラやがめつい所とか凄く合ってます、ジョロキア設定やクレールの奇物製造機設定とかも使って頂けて本当に感謝です……レイラさんの過去編とのことでこれからの更新も楽しみにしております！ (2018年8月17日 22時) (レス) id: 587e915dae (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - 檸檬@被ノエ募集企画主催さん» ちゃんと貼れました！わざわざURLを書いて下さって本当にありがとうございますm(__)m (2018年8月5日 18時) (レス) id: eec90ae86f (このIDを非表示/違反報告)
檸檬@被ノエ募集企画主催(プロフ) - これで出来なかったら打つ手無しですかね…… (2018年8月5日 17時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬@被ノエ募集企画主催(プロフ) - (image:http://img.u.nosv.org/uploader/files/d/6/0/d605e3d2088e3844cfdad063d1586f4b.jpeg)←ジュリアン帽子あり(image:http://img.u.nosv.org/uploader/files/6/b/5/6b5a4b15833c4c7c2a49cbd19cdab038.jpeg)←なし (2018年8月5日 17時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜美 | 作成日時：2018年8月1日 21時
