21 大事な話 【過去篇】 ページ24
山「ま、まぁ、座りましょう…」
バツが悪そうに笑う山崎さん。
『そうですね』
そう言って山崎さんの正面に腰を下ろす。
話したいことがあると山崎さんに言われ、今は山崎さんの部屋で2人きりだ。
重たい沈黙が2人にのしかかる。
その沈黙を破ったのは
「あの…」
山崎さんだった。
山「単刀直入に聞きます。貴方は、何者なんですか…?」
急な質問だったので思わずえっ、と声を漏らす。
何者、
かぁ…
『話したら……話したら山崎さん、貴方も私から……、私の前から、近くから、居なくなるんですか…?』
きっと今、私の表情は笑っているのか、哀しんでいるのか、分からない表情なのだろう。
山「いいえ、貴方はもう既に真選組の隊士でしょう?隊士の問題は真選組の問題です。
Aさん、俺は、俺たちは貴方の前から居なくなるなんて真似、絶対しませんよ。」
なんて言って山崎さんの優しい心配そうな笑顔が私をまっすぐに見つめていて。
『もう、真選組の皆さんは優しすぎですよ。近藤さんにしても土方さんにしても…山崎さんにしても。
…分かりました。洗いざらいすべて話しましょう。』
今まで江戸に来て誰にも言わなかった過去を話し始めた。
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作者名:神菜 | 作成日時:2016年12月6日 17時