〜キス・キライ・スキ〜 age31 ページ50
エイコー｢えー，綾瀬の仕業かよー！オレあんなに練習したのにー！｣｢サイアクー！謝れよ綾瀬ー！｣音楽室にまだ残っていた，他の男子達だんだん集まって来た。心愛ちゃん派の女子も，へたに口が出せずに遠巻きに見ている。高尾にしがみついて泣き真似している心愛ちゃんが，他の人からは見えないように，私の方を向いて一瞬だけニヤッと笑った。花日｢そんな･･････｣違うのに。誰も信じてくれないの？皆心愛ちゃんの嘘に騙されて，此処には私の味方なんて，ひとりもいないのかな･･････。その時。｢綾瀬じゃない｣高尾のよく通る声が，教室に響いた。心愛ちゃんを両手で押し戻して，高尾はもう一度きっぱりと言った。高尾｢綾瀬は，そんな卑怯な事する奴じゃない｣結衣｢そうだよ！｣紅葉｢花日ちゃんじゃないよ！｣まりん｢心愛が言い出したんじゃん！何，花日になすりつけてるのよ！｣その言葉に，ずっと我慢していた涙が溢れてきた。高尾と結衣ちゃんとまりんちゃんと紅葉ちゃんが私を信じてくれる。皆が私を責めても，高尾達だけは信じてくれる。それがこんなに嬉しいなんて･･････。大きな背中が，まるで私を庇うみたいにそこにあった。こぼれた涙を拭く代わりに，私は後ろから高尾にくっついた。泣きながらおでこでぐりぐりすると，それにこたえるように，前に回した私の手を高尾がぎゅっと握ってくれた。エイコー｢た，高尾が綾瀬といちゃついてるぞー！！｣トモヤ｢ほんとだー！｣リコーダー事件をこえる大スクープに，エイコーとトモヤが大騒ぎをはじめた。エイコー｢キスしろー！キース！キース！！｣エイコーの掛け声に，悪ノリ男子の手拍子とキスコールが続く。女の子達が｢ちょっと男子｣とか｢やめなよ｣とか言ってくれたけど，嵐のようなキスコールはちっともやまなかった。｢キース！キース！キース！｣高尾｢辞めろ！｣高尾がひとことで男子を制した。教室の中がしーんと静かになる。心愛ちゃんやエイコー達が見守る中，涙でぐちゃぐちゃの私の手を引いて，高尾は扉の近くまで歩いていく。そして一度だけ振り返ると，高尾｢もーしたから，手ーだすな｣言い捨てて，ドアを閉めた。次の瞬間。私達の背後で，皆の｢わあぁぁあ！｣という大歓声が聞こえきた。
続編へ移行し短いですが，〜キス・キライ・スキ〜ファイナル！
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作者名：赤司蓮華 | 作者ホームページ：蓮華のホームページ？by赤司 そんなものはありませんby黒子 見事な連携だね♪byさつき...
作成日時：2022年10月18日 17時
