〜キス・キライ・スキ〜 age29 ページ48
花日｢わざと失敗するってどういう事！？｣男子に聞かれたくない話をするからと，心愛ちゃんとその取り巻き女子達は，私を女子トイレに連れて行った。そこで言われたのが｢リコーダーのテストを女子全員で失敗する｣という作戦だった。心愛｢だって男子ムカつくでしょ？人気投票したり，生理の事揶揄ってきたり｣花日｢それは･･････｣そうかもしれないけど，でも･･････これはなんだか，やり方が間違ってる気がする。心愛｢だからテストでわざと失敗して，男子に恥をかかせてやるの｣花日｢で，でも，折角練習したんだし｣心愛｢何悩んでんの？あ。ペアが高尾君だから，いい子ぶってる？｣心愛ちゃんはちょっと怖い笑みを浮かべて，私の方へ顔を近付けてきた。心愛｢違うよね？高尾君の事キョーミないって花日ちゃん，言ってたもんねぇ？｣ぐっと言葉に詰まってしまう。確かに言った。けど今は･･････。心愛｢男子の味方したらどうなるか･･････わかってるよね？｣心愛ちゃんは私をじっと見て，脅すような低い声でそう告げた。
とうとう音楽の時間がきてしまった。リコーダーのテストは，男女のペアが揃って課題曲を吹く。でも，私の前に当てられた何人かの女子は，やる気のない態度で立ち上がってリコーダーを吹いていた。先生｢はい，辞めて。皆･･････練習してきてないの？｣わざと下手にやる子ばかりなので，先生は怪訝そうな顔で演奏をステップさせた。トモヤ｢お前，昨日までちゃんと吹けてたじゃん！ちゃんとやれよな！｣リコーダーを片手にトモヤが文句を言うと，ペアの女の子がつんと横を向いた。｢男子とペアでテストとかするからでーす！｣先生｢こら！｣先生が注意しても，そっぽを向いている。紅葉ちゃん，結衣ちゃん，まりんちゃん以外の他の女子からは，くすくすと忍び笑いが漏れている。先生｢では，次の人。綾瀬さん，高尾君｣遂に来た！ふたりで返事して前に出る。心愛ちゃん達の視線が集まる。この空気がこわい。ちゃんと失敗しないと，きっと心愛ちゃん達は怒るだろう。でも，どうしたらいい？どうしたら･･････。高尾｢頑張ろうな，綾瀬｣隣で高尾が呟いた。見上げるとそこに，眩しい笑顔がある。
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作者名：赤司蓮華 | 作者ホームページ：蓮華のホームページ？by赤司 そんなものはありませんby黒子 見事な連携だね♪byさつき...
作成日時：2022年10月18日 17時
