〜キス・キライ・スキ〜 age20 ページ44
先生「蒼井さん,もしかして———」抱き起してくれた先生に「・・・・・・生理が・・・・・・」と小声で告げると,すぐに保健室に運んでくれることになった。でも最悪な事に,それを男子に聞かれてしまった。お姉ちゃん達は,この事を言いに行ってくれたのかも・・・・・・。エイコー「なーんだー!蒼井,倒れたのセーリだってよー!」トモヤ「なんだよー。心配して損した!」エイコー「バリアしよーぜー!セーリがうつるからー」トモヤとエイコーの軽口に,他の男子達もひそひそと話し始める。ああもう。こんな風になって恥ずかしから,誰にも知られたくなかったのに・・・・・・。悔しくて悲しくて,思わずじわっと涙が滲んできた。———その時だ。何故か怒りの表情で桧山が動いた。でも,それより早く前へ出たのは,花日だった。花日は無言で睨みつけると,やにわにエイコーを突き飛ばした。小柄な花日に攻撃されるとは思っていなかったエイコーは,簡単にバランスを崩して床に尻餅をつく。エイコー「いてー・・・・・・何すんだよ,綾瀬!」花日「なんでわかんないの!?」花日の声に,クラス皆の視線が一斉に集まる。花日「結衣ちゃんはね,男子がそうやって揶揄うから,言い出せなくて無理したんだよ。倒れるくらい痛いのに・・・・・・こんなに苦しそうなのに・・・・・・!」怒りに燃えるその大きな瞳には,うっすらと涙が浮かんでいた。花日「ふざけてばっかりで,心配もしてあげられないの!?」結衣「花日・・・・・・」私の親友はすごい子だ。自分の事は必死で涙を隠すのに,友達の為なら本気で怒ったり泣いたりしてくれる。花日,有り難う・・・・・・大好きだよ。今や体育館はしんと静まり返っていた。女子は男子の悪ふざけに怒り,花日に叱られたエイコーやトモヤはバツが悪そうに下を向いている。桧山は毒気を抜かれたような顔でこっちを見ていて。高尾は・・・・・・真っ直ぐ花日を見つめていた。
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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 見事な連携だね♪byさつき...
作成日時:2022年10月18日 17時