〜キス・キライ・スキ〜 age16 ページ40
うそ・・・・・・。これって・・・・・・？
どれくらいの時間が経ったんだろう。すごく長いような気がしたけど，多分本当は，ほんの数秒の事だ。無言で唇をはなした高尾が，ふいっと私に背を向ける。ねえ，いまどんな顔してる？なんで私にこんなことするの？そのどれも口に出せないまま，私は高尾の広い背中を見つめた。すると振り返りもしないで，ぽつりと高尾が言った。高尾「・・・・・・帰ろっか」花日「・・・・・・はい」一歩踏み出そうとしても足が縺れる。膝が震えていた。頭の中が真っ白になって，言葉が出ないし，何も考えられない。なんで？彼氏とかよくわかんないって，ほんのちょっと前まで思ってたのに・・・・・・。
綾瀬花日，12歳。初めてのキス，しちゃいました。
次の日の朝。ついその場の雰囲気でキスしちゃった，みたいな？雰囲気って！不良！不良だよ花日！一人でアワアワしながら，空いたままの高尾の席を見ていると，本人が登校してきた。心愛「高尾君，おはよ〜」早速心愛ちゃんが声をかけている。でも私は，高尾が教室に入ってきたのが分かっただけで，恥ずかしくて顔があげられなくなってしまった。視界の隅に上履きを履いた高尾の足が見えた。それがだんだん近付いて，私の隣までくる。ランドセルが机におろされ，椅子が引かれて・・・・・・。バッと顔を上げると，すぐ横の高尾と目が合った。わ，わ，わ。あの唇と，キス・・・・・・しちゃったんだ！まて，落ち着け。ばくばくするの辞めろ私の心臓！とりあえず，ごく自然に，何時も通りの朝の挨拶を・・・・・・っ！花日「たかおっ，お，おはははは・・・・・・」ぎゃー！勢いつけすぎて，ぽんこつロボットみたいになちゃったよ！！一瞬あっけにとられた高尾が，かーっと赤くなった私を見て，ぷっとふきだした。高尾「なに，その挨拶。新しいね」あ，れ・・・・・・？高尾「おはよ，綾瀬」にこっと笑うと，何事もなかったように授業の準備を始めている。あれれ・・・・・・？高尾ってば，なんかフツー・・・・・・？
花日その1「あれ・・・・・・？高尾，まさか慣れてる？」花日その2「屋だ。キスのひとつや二つ，気にしない系？」花日その3「うわぁ，それって・・・・・・」花日その1・2・3・4「高尾ってもしかして，チャラ男だったりして〜！！」
わーん，そんなのイヤ————！！ほってた顔をさます為に，下敷きでパタパタ仰ぐ。初めてのキスだったのに・・・・・・。ねえ，気にしてるのは，私だけなの？
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作者名：赤司蓮華 | 作者ホームページ：蓮華のホームページ？by赤司 そんなものはありませんby黒子 見事な連携だね♪byさつき...
作成日時：2022年10月18日 17時
