〜キス・キライ・スキ〜 age6 ページ30
その時。廊下に置いてけぼりにしていた花日が，後ろから声をかけてきた。近くには，紅葉とまりんもいる。花日｢結衣ちゃん。そろそろ･･････｣もうすぐ休み時間が終わってしまう。チャィムが鳴る前に席につかないと。結衣｢今行く！｣花日達と一緒にその場を離れた私には，後に残された男子達が，どんな会話をしていたかなんて，知る由もなかったけれど･･････。
トモヤ｢てか，蒼井って大人っぽいよなー｣トモヤが鼻の下を伸ばしてそう言うと，いきなり桧山の表情が険しくなった。トモヤ｢桧山，何時も怒られてていーなー｣トモヤが揶揄う。だよなー，と委員長とエイコーも頷いた。エイコー｢今度スカート履いてきた時，捲ってやろうぜ｣な？とエイコーが言った瞬間，桧山がキシャーッと威嚇した。｢え･･････ごめん･･････｣ウケ狙いが逆目に出た男子達は，理由も分からず謝るしかないのだった。
桧山達と別れた後も，私はまだ怒っていた。結衣｢男子って，なんであんなに子供なの？｣花日と紅葉は｢うーん･･････｣と，苦笑いで首を捻っている。クラスの男子が子供すぎる件は，女子の間ではとっくに共通認識になっているけれど，｢どうして｣とか，逆に｢どうやったら大人になるのか｣とかいう問題には，困った事にまだ正解は出ていない。きっとこれからも，上手い答えなんて出ないだろう。まあ，お姉ちゃん達だったら，上手い答えを出してくるだろう。12歳女子は，友達からどう見られているか気にするし，嫌がられるような事はしないように自然と気を付けるものだけれど。男子は仲間内ですぐヒートアップして，自分達が女子からどう見られるかなんて，ちっとも気にしない。｢蒼井！｣私と花日，まりんと紅葉の後ろから，桧山が声をかけた。階段に忘れ物でもしたかな？と思って振り向くと，桧山が不機嫌そうな表情で，ずかずかと近付いてきた。結衣｢･･････何よ｣桧山｢お前，一生スカート履いてくんなよ！｣ぶっきらぼうに，一方的に言い捨てる。どういう意味かを聞き返す暇もなく，桧山はそのまま私達の横を通り過ぎた。その耳朶や頬が，少しだけ赤くなっているように見えたのは･･････気の所為？ううん，そんな事よりも。どうして桧山に，着る服を指定されなきゃいけないの？もうムッとするのを通り越して，呆然としてしまう。結衣｢意味わかんない･･････｣花日＆まりん＆紅葉｢うん｣花日達も，私と同意見みたいだった。
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作者名：赤司蓮華 | 作者ホームページ：蓮華のホームページ？by赤司 そんなものはありませんby黒子 見事な連携だね♪byさつき...
作成日時：2022年10月18日 17時
