〜キス・キライ・スキ〜 age5 ページ29
結衣Side
私，蒼井結衣はものすごく怒っています。誰にって･･････それは目の前の，この男子に，です。
階段のそばまで来ると，私は桧山の前に仁王立ちした。結衣｢桧山！｣階段に座っていた桧山は，視線だけ上にあげた。桧山｢なんだよ｣結衣｢男子に変な事させないで！｣桧山はだるそうに｢あ？｣と返事をする。なんの事だと言いたげだった。結衣｢スカート捲りとか，信じられない｣桧山が肩を竦めた。桧山｢蒼井。オレ，別に『やれ』なんて言ってねーよ。オレはただ，オレ達の親が餓鬼の時には，女子のスカートを捲る奴は男子のヒーローになれたって言っただけ｣何処からともなくあらわれた委員長が，大きく｢勇者｣と書かれた紙をババンと広げた。一見真面目な眼鏡男子だけれど，実はこの委員長，エイコーと並んでクラスの影のムードメーカーだったりする。お調子者で雑なエイコーの後ろで，悪ふざけの細かい舞台装置を素早く手配したりして，なかなか侮れない存在なのだ。トモヤ｢マジかっけーよなー！｣悪ノリ男子のひとり，トモヤが横から飛び出して煽り始めると，エイコー｢ピンクの水玉〜〜〜！フゥーーーーー！！｣スカート捲りの犯人のエイコーも，口笛を吹く真似で同調する。結衣｢やっぱり桧山が，けしかけてるんじゃない！｣私が叱りつけると，桧山はうるさそうに耳に手を当てた。桧山｢ギャーギャー言うなよ｣トモヤ｢そうだぞー！あんまりうるさいと，蒼井のスカートも捲るぞー！｣トモヤが桧山の言葉にのって，ヤジを飛ばしてくる。男子って，なんでこんなにおバカなのかな･･････。私は深いため息をひとつつくと，腰に手を当てて胸を張った。結衣｢私，今日はショーパンだもん｣｢鉄壁のガード･･････｣私の勝利宣言に，委員長やエイコーはオーバーリアクションで愕然としている。トモヤも絶望のポーズで膝を着いていた。そう。外にスカートっぽい布がついてるけどコレ，実はれっきとしたショートパンツなんです。だから，捲られたって下着は見えないのです。男子，残念でした！ところが･･････。桧山だけが心底嫌そうに眉をひそめて，こう言った。桧山｢蒼井のパンツとか，ぜんっぜん見たいと思わねぇ｣結衣｢はあ〜〜〜！？なにその言い方！｣桧山は何故か私にだけ当たりがきつい。私が何かすると，すぐ文句をつけたり，偉そうに意見を言ってきたりする。だからつい，私も桧山にイライラして怒ってしまう。まあ，私がどんなに怒っても桧山は涼しい顔で，ちっとも反省してくれないんだけど。
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作者名：赤司蓮華 | 作者ホームページ：蓮華のホームページ？by赤司 そんなものはありませんby黒子 見事な連携だね♪byさつき...
作成日時：2022年10月18日 17時
