キス・キライ・スキ age10 ページ16
エイコー｢そして･･････ワースト1位！ぜんっぜん人気が無かったカワイソーな女子は──｣トモヤがまた，ダラダラダラダラ･･････と口で効果音を入れる。周りの女の子達が，急にざわつき始めた。｢最下位も発表するの？｣｢やだ･･････｣そうだよ。せめて人気上位で名前が出るならまだ恥ずかしいだけですむ。でも最下位なんて｢嫌われてます｣って言われるのと同じだもん。誰だってイヤに決まってる。花日｢辞めよう｣一歩前に踏み出した私に，エイコーが｢え？｣と不思議そうな顔をした。花日｢皆嫌がってるよ｣エイコーの手から，人気投票の順位が書かれたメモを取り上げようと手を伸ばす。それに気付いたエイコーが，私の手が届かない高さまでメモを持つ手を振り上げた。花日｢辞めて｣トモヤ｢しゃしゃり出てくるなよ，綾瀬！｣私に紙を取らせまいとするエイコーの隣で，トモヤまで文句をつけてくる。悔しい。でも絶対，最下位の発表なんてさせちゃダメだ。私の行動に野次を飛ばしてくる男子チームと，その野次に反撃する女子チーム。対立するクラスメイト達に囲まれて，メモの争奪戦で私達が揉み合いになった，その時。問題の紙が，スッと誰かに取り上げられた。花日｢･･････高尾｣エイコーの手からメモを奪ったのは，高尾だった。エイコー｢なんで邪魔すんだよ！｣怒鳴るエイコーに，高尾が涼しい顔で教室の入り口を指差した。高尾｢先生，来てるし。それに，征兄さん達が呆れてるよ｣見れば担任の先生が，扉の前でふるふると怒りに震えていて，蓮華ちゃん達は，冷めた目でエイコーを見ていた。エイコー｢あ･･････やべー･･････｣エイコーが急にトーンダウンした。何時の間にか授業開始のチャイムが鳴っていたみたい。皆それに気付かないくらいヒートアップしていたんだ。先生｢もう，何やってるの！｣つかつかと黒板の前まで歩いて来た先生は，困った様にため息をついた。先生｢どうしてうちのクラスは，こんなに男子と女子の仲が悪いの？｣トモヤ｢なんでって聞かれても･･････｣ぼやいたトモヤの言葉を，エイコーが巫山戯た調子で引き継いだ。エイコー｢男子と女子だからでーす！｣それが先生の怒りを決定的にしてしまったみたいで･･････。
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作者名：赤司蓮華 | 作者ホームページ：蓮華のホームページ？by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったり！by...
作成日時：2022年9月23日 20時
