12歳。〜ちっちゃなムネのトキメキ〜蒼井結衣＆桧山一翔＆綾瀬花日＆高尾優斗＆堤歩には兄or姉がいた！？ (ページ22)

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𝒩𝑜.5〜キス・キライ・スキ〜age5 ページ22

私，蒼井結衣はものすごく怒っています。
誰にって･･････それは目の前の，この男子に，です。

階段のそばまで来ると，私は一翔の前に仁王立ちした。
結衣｢桧山！｣
階段に座っていた一翔は，視線だけ上にあげた。
桧山｢なんだよ｣
結衣｢男子に変な事させないで！｣
一翔はだるそうに｢あ？｣と返事をする。なんのことだと言いたげだった。
結衣｢スカート捲りとか，信じられない｣
一翔が肩を竦めた。
桧山｢蒼井。オレ，別に『やれ』なんて言ってねーよ。オレはただ，オレ達の親がガキの時には，女子のスカートを捲る奴は男子のヒーローになれたって言っただけ｣
何処からともなく現れた委員長が，大きく｢勇者｣と書かれた紙をババンと広げた。
一見真面目なメガネ男子だけれど，実はこの委員長，エイコーと並んでクラスの陰のムードメーカーだったりする。お調子者で雑なエイコーの後ろで，悪ふざけの細かい舞台装置を素早く手配したりして，なかなか侮れない(あなどれない)存在なのだ。
｢マジかっけーよなー！｣
悪ノリ男子のひとり，トモヤが横から取り出して煽り始めると，
エイコー｢ピンクの水玉〜〜〜〜〜！フゥーーーーー！！｣
スカート捲りの犯人のエイコーも，口笛を吹く真似で同調する。
結衣｢やっぱり桧山が，嗾け(けしかけ)てるんじゃない！｣
私が叱りつけると，一翔はうるさそうに耳に手を当てた。
桧山｢ギャーギャー言うなよ｣
｢そうだぞー！あんまりうるさいと，蒼井のスカートも捲るぞー｣
トモヤが一翔の言葉に乗って，ヤジを飛ばしてくる。
男子って，なんでこんなにおバカなのかな･･････。
私は深いため息をひとつつくと，腰に両手を当てて胸を張った。
結衣｢私，今日はショーパンだもん｣
｢鉄壁のガード･･････！｣
私の勝利宣言に，委員長やエイコーはオーバーリアクションで愕然としている。トモヤも絶望のポーズで膝をついていた。
そう。外にスカートっぽい布がついているけれどコレ，実はれっきとしたショートパンツなんです。だから，捲られたって下着は見えないのです。男子，残念でした！
ところが･･････。一翔だけが心底嫌そうに眉をひそめて，こう言った。