12歳。〜ちっちゃなムネのトキメキ〜蒼井結衣＆桧山一翔＆綾瀬花日＆高尾優斗＆堤歩には兄or姉がいた！？ (ページ20)

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𝒩𝑜.4〜キス・キライ・スキ〜age4 ページ20

花日｢高尾ってなんか･･････何考えてるか，よくわかんないもん｣
他の女の子には優しいのに，私にはちっとも優しくない。すぐに揶揄う。
やっぱり女子だと思われてないから，なのかな？
その時だ。
｢きゃあああ！｣
教室に，いきなり高い悲鳴が響いた。
声の方を見れば，廊下近くにいた女の子のひとりが，スカートの裾をおさえて真っ赤になっていた。そのそばを風のように駆け抜けるのは･･････お調子者のエイコーだ！
エイコー｢いえーい！ピンクの水玉〜！｣
女｢やだぁ！スカート捲らないで！サイテー！/エイコー，バッカじゃないの？｣
半泣きの女の子の横で，他の女の子達も口々に文句を付けている。
前々から男子ってお馬鹿だなと思っていたけど，こんな方法で女子に嫌がらせするなんて本当に有り得ない。
にやけ顔のエイコーは，そのまま廊下の先の階段へと走って行く。
階段の踊り場には，何故か，同じクラスの桧山が腰掛けていた。
桧山一翔。高尾とはタイプが違うけど，密かに女子人気の高い男の子だ。
結衣｢･･････桧山｣
隣いた結衣ちゃんの声が，いきなり一段低くなる。
えっ，と顔を上げると，いつもニコニコの顔が，今は暗くて怖い雰囲気になっていた。
怒っている。何故だかわからないけど，今結衣ちゃんは深く静かに怒っている。
花日｢えっと，結衣ちゃん？｣
結衣｢ごめん。ちょっと，行ってくる｣
──って，何処へ？