12歳。〜ちっちゃなムネのトキメキ〜蒼井結衣＆桧山一翔＆綾瀬花日＆高尾優斗＆堤歩には兄or姉がいた！？ (ページ17)

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𝒩𝑜.2〜キス・キライ・スキ〜age2 ページ17

？｢結衣ちゃん，花日！｣
後ろから声がかかって，私の髪を結び終えた結衣ちゃんの手が，ふと止まった。
小走りで机の前に回り込んできたのは，仲良しの小倉まりんちゃん。長い髪を頭の上でお団子に纏めて，いつもキリッとしている元気者だ。
まりん｢聞いて！お姉がね，昨日付き付き合ってる彼氏とキスしちゃったんだって！｣
花日｢え〜･･････(お姉ちゃんって，キスしたことあるのかなぁ？)｣
結衣｢･･････凄い(そう言えば，お姉ちゃんってキスしたことあるのかな？)｣
いきなりの爆弾発言に，私は結衣ちゃんと顔を見合せた。
まりんちゃんのお姉さんは，まりんちゃん曰く｢恋愛のプロ｣で、，男ゴコロを掴むテクニックが凄いらしい。
まりん｢それが，すっごく理想的なキスで，うっとりして眠れなかったって，朝あくびしながら話してくれたんだ｣
花日｢理想的なキス･･････｣
って，どんなの？頭の中を｢？｣マークでいっぱいにした私をスルーして，まりんちゃんが結衣ちゃんに話しかけた。
まりん｢ねえねえ！結衣ちゃんはどんなキスしてみたい？｣
結衣｢キス･･････え，私はまだそんなこと･･････｣
急に聞かれた結衣ちゃんは，顔を真っ赤にして，しどろもどろになっている。
大人っぽくて誰より美人なのに，こういう話にあんまりのってこないのが，結衣ちゃんのおくゆかしいところだ。
恋の事はまだわからないけど，私だってキスの妄想くらいする。
花日｢はいはいはーい！｣
勢いよく手を挙げて，椅子からぴょんと立ち上がる。
花日｢桜田くんと遊園地デートした帰りに，別れ際に腕を引っ張られて，なんか見つめあって，なんかカッコよく，ちゅ〜〜〜〜！｣
私が全力で夢のキスを説明したのに，まりんちゃんが呆れた顔をする。
まりん｢花日。桜田くんって，アイドルだよね？｣
う。鋭いツッコミ。
結衣｢まず，知り合うのが大変そう･･････｣
結衣ちゃんは真面目だ。
花日｢ま，何とかなるって〜〜〜〜〜！ちゅ〜〜〜〜〜！｣
口を尖らせて戯けて(おどけて)みせた私の後ろで，クスクス笑う声がした。
振り返ると，そこには思いがけない人物がいた。
花日｢高尾･･････｣
高尾優斗。落ち着きのないクラスの男子の中で，ひとりだけ目立ってクールな存在。女子人気が高いけど，私はなんとなく近寄りにくい。
高尾｢綾瀬もそんな，女子みたいな事言うんだね｣
はぁ！？どういう意味？思わずムッとしてしまう。睨み付けたけど，高尾は平気な顔でクスクス笑い続けていた。