虹がつなぐ (ページ14)

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Aside

望「よし、降りるで、立てるか？」

「大大大やって笑、心配しすぎ」

望「ふふ、ほな行こ」

今日は朝の体調も悪くなかったし淳太くんも早くからの出勤で大毅くんも1限からだから望と2人で電車登校の日

過保護な父親と心配性な兄を持つと体調が良い日でもすぐに車を出してくれちゃうから何気に望と2人で登校できる日は貴重だったりもする

大吾「望〜、Aちゃーん、おはよ」

背後から颯爽と自転車で追いついて来たのは望のクラスメイトで大の仲良しらしい西畑大吾くん

せっかく自転車で通学しているのにいつも学校に向かう私たちに会うと自転車を降りて押しながら一緒に登校してくれる

望「おはよー」

「おはよう、大吾くん

自転車降りちゃっていいの？」

大吾「おん、もちろん

おれも一緒にいかせてや」

こんな調子でいつも私のスピードに合わせて歩いてくれる優しい人

「いいなぁ、自転車

Aもビュンビュン乗り回してみたい」
　

大吾「Aちゃん、おれの自転車見るたびにそれ言うよな笑」

望「あかんよ、Aが自転車乗ったら風に煽られてすぐ転んでまうから」

なんてのんちゃんはいつも茶化してくるけど自転車に乗ったことない理由は物心ついた時からずっとある、運動制限のせい

とにかく心臓に優しく、負担がかからないように生きなければならなくて

この歳だからもうあまり思わないけど少し前までは運動会とか運動部でキラキラ活躍する友達が羨ましくてしょうがなかったりもした

でももう一つ諦めがついた理由は

望「A、一回呼吸整えよっか」

「ｯﾌｩ、だいじょぶ､､ﾊｧ」

大吾「ええから、とりあえずストップして」

高校生になってから明らかにちょっとした運動でも息切れしてしんどくなってしまうようになったから

今だって教室に向かうちょっとした階段も登りきれずに踊り場で休憩しているところ

望だけならまだしも今日は大吾くんもいるのにこんなことに足を止めさせて申し訳ない

「ごめ、っ、、もういけるから」

望「もぅ、無理せんでな」

片割れが辛そうな顔をしていることだってわかっているけど今の私には見ないふりをすることしかできなかった

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