涙の理由【まふまふ】

tear.8 ページ9

「あれ？君何してんの？」

探しに行かなくては……と、保健室に背中を向けた時、ベッドの方から声が聞こえた。

「え、」

驚きの声を漏らしながら、後ろを向くとそこにはカーテンからひょこっと顔を出す彼女がいた。

「幽霊見たような顔しなくても……」

彼女は僕の方に向かってくる。

「なんでここにいんの？」

見た感じ、体調が悪そうには見えない。

「君こそなんでここに？」

「問い掛けを問い掛けで返すのはマナー違反だよ」

「別に特別な理由があるわけでもないし、言わなくてもいいと思ってね」

「特別かどうかは僕が決める」

「ふーん」

「まぁ、いつもここにいるから」

「え、それってどういう……」

「はい、次は君が答える番だよね？」

「どういう事なの？」

「問い掛けを問い掛けで返すのはマナー違反……じゃなかった？」

彼女は悪戯っ子ぽく笑った。

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