tear.10 ページ11
「は？ってなに」
彼女は不機嫌そうにそう呟く。
「君、僕のこと嫌いじゃん」
嫌いと言うか無関心なのかもしれないが。
「君とは話してみたかったから」
普通ならドキドキするセリフなのだろうが、真顔でそう言ってくるので胸の鼓動は平常である。
「それにここで行ったら、また入れ違いになるかもしれないし」
一理ある。それに現に一回入れ違いになっている。
「…………君がそう言うならここにいる」
僕がそう言うと、彼女は驚いた顔をして此方を向いていた。
「……何？」
「いや、君には嫌われてると私も少なからず思っていたから」
「暇潰しにはいいし」
「そう……そこ、座って」
指差したのは彼女が出てきたベッドのすぐ側の椅子。
彼女はベッドで上半身だけ起こしている体制だった。
特に抵抗もなかったので、言われるがまま側の椅子に座る。
「君はいつもここにいるの？」
「うん」
「体調悪いの？」
「ううん」
「人と話せない……とかなの？」
「君と話せてる」
淡々と僕の質問に答える彼女。
「なんで？」
「……そのなんで？にどんな意味が込められているのか私には全て把握出来る自信がない」
「……やっぱりいいや」
人に踏み込まれたくないテリトリーは誰にでもある。
彼女の場合のそのテリトリーが何処かはわからないが、きっと積極的に自分から話したくないことだと思った。
「名前、なんて言うの？」
「そう言えば言ってなかったね、小鳥遊A」
どこかで聞いたことがある名前だったが、彼女とは木の下の時がはじめて会ったときだ。
なので深く考えはしなかった。
「学年は？」
「一応、今年で三年。教室に通ってた年を学年と君が言うのであれば、一年……君と同じかな」
彼女は笑って、そう答えた。
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イーリス - 面白かったです！更新ファイトです！ (2018年6月8日 0時) (
レス) id: ef79601f91 (このIDを非表示/違反報告)
星花アリス(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございますm(_ _)m面白いと言っていただけて、嬉しかったです！更新がんばります！ (2018年2月3日 18時) (レス) id: bdc813ca79 (このIDを非表示/違反報告)
かな - コメント失礼します！とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年2月3日 18時) (レス) id: 8c90ba25be (このIDを非表示/違反報告)
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