23話 ページ23
〜過去〜
Aside
キキーー！！
バンッ！！
嫌でも聞こえる悲鳴ともうろうとする意識のなか
あ、私死ぬんだ
そう思った
ーーーーーーーーーーーーー
月・星「…！！A！！A！！」
ごめんな月姉、星姉
ママに育ててくれてありがとうって
ママとパパのもとに生まれてこれて幸せやったでって
大好きやでって伝えて…！！
月姉も星姉もいままでありがとう
また会えたらええな
遠い未来であいたいなぁ
ーーーーーーーーーーーーー
白い天井
横には
月「A！！」
『つk…！』
あれ、声が出ない
月姉がいる…
ってことは死んで、ない？
星姉は…！
痛！！
足が痛む
星「A落ち着いて聞いてな」
月姉と星姉の口から告げられた衝撃の言葉
「Aのママの命が危ない」
落ち着いてられんかった
落ち着いてられる訳がない
唯一の家族がおらんくなるなんて
嫌や！！
『う、うあ"ぁー！あ"ぁー！ママあ"』
パパは私が1才になる前に病気で亡くなった
そこからはママがパパの分までって頑張って私を育ててくれた
なのに！なのに、
私は何にもできてへん
今すぐにでも駆けつけたい
医者「河和野さん！意識はありますか？」
『ん、はい、』
医「お母様のそばに行かれますか？」
『はい、！』
もうふたつ二人から告げられたこと
ママは私を守ってくれて
「私は後にしてください。娘を先に、！」
とも言ったこと
それで私は命に別状がないこと
これを聞いてまた涙が出た
今だからわかる
ママともう二度と食事したりしゃべったり喧嘩できないかもしれないからわかる
気づくのが遅すぎることも、わかってる
もう、手遅れなんだってことも
ママがいないと幸せじゃないってわかったから
「Aは、幸せに、なっ、て、ね」
『嫌や！！
ママがおらんと幸せじゃない！』
いままでの当たり前がどんだけ幸せかわかったから
『ママ！ねぇ！いかんといて！Aだけおいてかんといて！
返事してや！ママがおることが一番の幸せやねんから！ねぇ！』
どんだけ話しかけても返ってこない返事
月姉と星姉が私の背中をさすってくれた
泣きじゃくる私を支えてくれた
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作者名：結杜 | 作成日時：2022年8月10日 18時
