バボちゃんの中の人系女子。

Episode 17 ページ17

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『...ん？』


「2回も言わせんなバーカ」


『なんで私罵倒された？』


何故か照れてるし。



『そもそも名前教えてとか言われなかったし』


「興味なかったから」


『辛辣ゥ』


「ん、でも今は興味ありまくりだよ」



ウインドブレーカーの襟に顔を埋める石川祐希。

顔はいいから様になる。


『ほーん物好きだね君』


「それな」


『否定しようね』


...ん？というか。


『これどこ向かってるの？』


「え、寮だけど」


『はあ？てか終電なくなるんだけど』


「寮来る？」


『ん？』


「え？」


何故そういう思考になる？？(混乱)

あなた日本代表のはずなんですけどしかも寮に部外者の女入れるとかコノヤロウアホなよ(ここまでノンブレス)



『いやいや兄ちゃん、それアカンやつだよ多分』


「あー、そこらへんは平気。自己責任だし」


『そうだとしても貴方のファンが黙ってないでしょ』



この状態でさえ危険だと言うのに。



「他がどうなっても俺はバレーをするだけだから」


『何かっこいいじゃん石川祐希』


こんなあんぽんたんでもバレーに対しては人一倍真剣なんだな(失礼)




「は？お前何言ってんの」


『急に怒ったね？』


素っ頓狂な声が聞こえて見上げると、再び赤面した日本のエース。


なんだこいつ私の事好きかよ(棒)




「い、や、かっこいいって、いま」


『あー...』


何あーって！？ねえ！？ とギャンギャン騒ぐ石川さん。



というかそれは茶化しなんだよねぇ、ごめん、ピュアユウキ...。




『うん、気持ちはありがたいけど私は泊まらないよ』


未だに顔が熱そうな彼に告げる。


「え？なんで、」


『もしいざこざ起きたら、石川祐希が変わらなくても環境が変わるのは目に見えてるでしょ。迷惑はかけないつもりだから』


本心はめんどくさい(最低)



「...わかった。でも連絡先は交換して」


『いいよ』


「マジ...？やった」


LINEくらいは許してやろう。



新しい友達、と表示された石川祐希という名前は現実味がない。

サラッと交換しちゃったよ...。




『...何ニヤケてんの』


「べっつにー」


嬉しそうに携帯を握りしめる彼は、全日本エースの面影はなくただの男の子。



「じゃ、おやすみA」


『ちゃっかり呼び捨てかよ』


「黙っててよ」






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『...おやすみ、祐希』






「...は、」








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後ろからスマホ落ちた音聞こえたけど、気にしない気にしない。









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