Episode 13 ページ13
【Ishikawa.side】
「「「カンパーイ！！」」」
今日は試合が昼過ぎに終わったので、打ち上げ且つ親睦会と称された飲み会が開かれた。
「祐希なんか機嫌良くね？」
「そう？」
「何、可愛い子とでも喋ったかー？」
「健太郎さんじゃないんだから」
こいつ釣れねー！とギャンギャン騒ぐ健太郎さんと福澤さんのダル絡みを適当に流す。
まあ、あながち間違ってない。
あの子はすごい面白い子だった。
興味も、沸いた。
...名前聞いてない。
名前を知っているのにわざわざ苗字で呼び直すような愛想の欠けらも無い子が、バボちゃんをやっているなんて面白すぎる。
「...ふ」
「思い出し笑い？」
「マサさんうるさーい」
なんだお前、と梅酒を注ぎながら笑うマサさんに問う。
「マサさんってさー、自分が女だったら、誰と付き合いたい？この中で。」
なんだよその質問、と呆れるマサさんを早く早くと急かす。
「んー、誠大じゃね。あ、でも古賀さんもいいなぁ」
「...何で？」
「頼りがいあるし、落ち着いてて男らしいからじゃないの？」
「ふーん...」
なんだよ、誠大さんモテモテじゃん。
「因みに祐希は無理。お前掴めないもん」
「それあの子にも言われた」
「あの子って？」
「中身」
「は？」
お前といると調子狂うわ、なんて顔をしかめるマサさんを無視してアルコールを流し込んだ。
「マサさん彼女いるの？」
「今日のお前は女子高生か」
「たまにはいーじゃん」
「はあー？いねえよ」
マサさん彼女いないの！？
なんて叫ぶとみんなの視線が集まる。
祐希ー、キャプテン怒らすなー
それ言っちゃあかんやつ
野次馬が飛んでくる。
「やってらんねーわ」
「ごめんって」
マサさんは軽く俺を小突くと、トイレに立ってしまった。
━━━━━━━━━━━━━━━
「祐希飲んでるかー！？」
「うるさい...」
わんやわんやと騒ぐさっきの2人(健太郎さんと福澤さん)、ジンジャーエールをストローで律儀に吸う西田、他に周りを見渡してみても客観的に見たらそりゃモテるだろ、というスペックの奴らばっか。
もしあの子がみんなに知られたら、敵多いななんて。
いや敵ってなんだよ。今日の俺はおかしい。
「ユーキ、あいつらうるせーよなあ。あっち移ろうぜ」
そう言って肩を叩く誠大さんを羨み、でも少しだけ、ちょっと、ほんのちょっとだけ、妬ましく思った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2262人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えにゃん(プロフ) - お忙しいとは思いますが更新楽しみにしてます！！ (10月23日 9時) (
レス) id: bcaaef49ab (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - 続き待ってます！ (10月14日 20時) (レス) @page27 id: df0d2cc828 (このIDを非表示/違反報告)
こい(プロフ) - めちゃくちゃおもしろくてだいすきです！更新待ってます！ (2023年4月2日 13時) (レス) @page27 id: 3397572aa8 (このIDを非表示/違反報告)
鳴 - 読み返しまくってます。更新、待ってます。 (2022年6月23日 0時) (レス) id: 98266d8bda (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの？私バカなの？((((喧しいわ (2021年10月4日 20時) (レス) @page27 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らーゆ | 作成日時：2019年10月19日 13時
