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父の別荘は、群馬県の山の中だ。何度か連れて行かれた事がある。
思い出したくなかった事を思い出させられて、頭を押さえながらまたブラブラと歩く。
目に留まったのはバイク屋。
免許は持っているし、組織にいた時は乗っていた。けれど、サングリアは死んだ事になっているせいで、元のバイクには乗れない。
群馬に行くなら買った方がいいかな。
そう思ってふらりとバイク屋に入った。
バイクを買って、近くの公園のベンチに座る。
スマホで場所を確認して、長野に行く理由を考える。陣平さんに本当の事を言うわけにはいかない。
その前に、私はシャロンに電話をしていた。
シャ『どうかしたの？』
「爆弾って調達できる？」
シャ『……どうして？』
「消しておかないといけない場所があるの。それこそ、爆弾で破壊してでもね」
シャ『分かったわ。明日取りに来て』
「朝に行くわよ？」
シャ『OK』
電話を切ると、自分の身体を見下ろす。
手術で傷はほとんど目立たない。
でも…心の傷は消えない。
歩「Aお姉さん？」
歩美ちゃんの声が聞こえてそちらを見ると、少年探偵団のメンバーがいた。
「皆…」
光「こんな所で何をしているんですか？」
元「天気予報じゃ雨降るって言ってたぞ？」
雨…か。
私の穢れも、洗い流してくれればいいのに。
「ちょっと、旅行に行こうと思ってね」
シェ「どこに行くの？」
「群馬県」
コ「…ちゃんと帰ってくるよね？」
「当たり前よ。勝手に死んだら、怒られちゃう」
コナン君の頭を撫でると、彼は険しい顔をした。
コ「ねぇAさん。何か、僕たちに隠してる事ない？」
「君は相変わらずの詮索好きだね。幸せしか知らない君たちには、決して分からない事があるんだよ」
シェ「まるで自分は不幸しか知らないみたいね」
「…幸せなんて知らない。知ろうとも思わない。傷は一生消えないんだよ…シェリー」
小声で彼女の名を告げるけど、きっと誰にも届かなかった。雨が…降って来たから。
歩「降ってきちゃったよ！早く帰ろ！」
コ「Aさんは？！」
「私はバイクで帰るから」
コ「Aさんのだったの？！」
シェ「いい趣味ね」
「まあね」
子供たちは帰路を急ぐが、私はそこから動かなかった。
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焔彩(プロフ) - アオさん» ご指摘ありがとうございます！気を付けます！ (2018年6月14日 11時) (
レス) id: 5e6d9dd208 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 「可愛そう」じゃなくて、「可哀想」だと思います。 (2018年6月14日 8時) (レス) id: 48b43752b9 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 続編おめでとうございます！これからも頑張ってください。 (2018年6月10日 14時) (レス) id: 8bae2088af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：焔彩 | 作成日時：2018年6月10日 14時
