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その時、ポアロにスーツを着た女の人が三人入ってきた。


その顔を見た瞬間、私は俯いた。


女「安室さーん!また来ちゃったー!」


安「いらっしゃいませ。テーブル席でいいですか?」


女「はーい」


最近は思い出さなくなってきていた忌々しい記憶。


しかし、ちょっとした事ですぐに思い出す。


彼女たちを席に案内して戻ってきた安室さんが私に声をかける。


安「大丈夫ですか?Aさん」


女「え?」


すると、三人の中でもリーダー格の奴が私に近づいてきた。


女「あんた、まさか早乙女A?」


無言を肯定ととったのか、彼女は私の肩を掴むと無理やり振り向かせた。


「何?」


女「変わってないその目。相変わらずムカつく」


「私も、あなたを見ていると殺意が湧くよ」


女「生意気になったじゃない」


この女たちは、高校の時に私を虐めていた奴らだ。


「スーツって事は就活中?まだ三年なのに大変ね」


女「あんたとは違って努力してんのよ」


私は立ち上がると、彼女を睨みつける。


「私だって努力してるわ」


女「へぇ?どの辺りが?」


「決めたの。警察官を目指すって」


女「は?!あんたが警察官?!なれるわけねえだろ!」


胸ぐらを掴まれるが、女相手なら怖くない。


「あんたが決める事じゃない」


安室さんを横目で見ると、どうしたものかと困っている様子だった。演技か素か分からない。


女「相変わらずムカつく!!あんたなんか殺してやる!」


「…できるもんならやってみなさいよ」


女「あんた、私のパパが“ そういう事 ”やってるって知ってるでしょ?」


公安警察の前で自白するなんて、バカな女だ。


「そういう事って…何?」


女「だから!クスリとか…」


そこまで言ってハッとしたのか、彼女は口を噤んだ。


安「なるほど、それがあなたのテクニックですか」


「あんたほどじゃない」


彼女は私から手を離すと、私と安室さんを交互に見る。


女「な、何なの…?」


「じゃあ私帰りますね。後は頑張ってください」


お金を置いて手をヒラヒラと振って店を出ると、腰に手を伸ばす。


「コレは使う機会がない事を祈っているよ…。ベルモット」

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焔彩(プロフ) - アオさん» ご指摘ありがとうございます!気を付けます! (2018年6月14日 11時) (レス) id: 5e6d9dd208 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 「可愛そう」じゃなくて、「可哀想」だと思います。 (2018年6月14日 8時) (レス) id: 48b43752b9 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 続編おめでとうございます!これからも頑張ってください。 (2018年6月10日 14時) (レス) id: 8bae2088af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:焔彩 | 作成日時:2018年6月10日 14時

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