迎え、来ず ページ9
まあ、なんやかんやあった翌日。
私はいつものように、1人で教室を出る。その理由は私が、教室の中でぼっちだから。つまり一緒に帰る子がいない。悲しき女ですよ。
でもそれ以外にも、迎えが早めに学校に着くから、っていうちゃんとした理由もある。
私が教室を出て、校庭を歩いていたら、校門の前に運転手さんがもう立って待っていることが多い。そうやって運転手さんが立っていると、とても目立って困ってしまう。
黒光りのいかにも、な高級車にスーツをぴっちりと着こなした体格のいい男性が、校門の前に立っているんだよ?小学生からすると恐怖でしかないよね。
それに怪しいし。不審者と思われても仕方ない。実際、今までに警察に通報されたことがある。
あんまり細かく言うと時間がもったいないから言わないけど、要するに怪しいし迷惑がかかるからってこと。
そういうことで私は、小学生ながらにして各方面への迷惑を考える小学生へと進化したのであった……。まあ、精神年齢は小学生じゃないんだけど。
そういう理由があって、今日も今日とて、いの一番に教室を飛び出してきたってわけ。
そして廊下をすばやく移動して、階段を一段飛ばして降りる。靴箱で急いで靴をはき替え、校庭の端を全力で走った。まんなかを走ると上級生に怒鳴られるからね。治安悪い。上級生怖い。
そして、校門にすでに立っている運転手さんに……って、いない。
いつもならもう、運転手さんが立っている時間なのに。なにか事故かなんかでもあったのだろうか。
迎えが来ていないので、私は自然とその場に立ちつくすことになった。しばらくして出てきた、集団で下校する他の小学生からの視線が痛い。いつもはバラバラに下校しているのに、よりによって今日、なんで集団下校してるの。
謎のプレッシャーを肌に感じたので、校門の端に避ける。校門にもたれて、運転手さんをじっと待つ。暇だし視線は感じるしであまりいい気分ではなかった。
ちょっとだけ不機嫌になった私のところに、五条さんと似た服を着た女の人がやってきた。
黒髪ロングのくりくりおめめで、まあなんと愛らしいこと。ま、私には負けるけどね。
その女の人は少しあたりを見回したあと、私を見つけるとパッと顔を明るくした。そしてわたしのところに駆け寄ってくる。
私に何か用でもあるのだろうか。女の人は私の前まで来るとしゃがんで、私に視線を合わせた。
「ねえ。あなたが、五条Aさん?」
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ツバメ - 甚爾と(彼女?)妹と偶然出会って知り合いにもなって欲しいです (2022年2月8日 18時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 面白いし五条さん妹愛ばかになりつつあると思うけどそれなりに仲良いと思います この子には凄く難しいかも知れませんが伏黒甚爾生存で彼をなんだかんだで助ける事出来ませんか?闘うのも有りですがやっぱり甚爾だけがいなくなってしまうのはダメかもと思うのです (2022年2月8日 18時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 屑女また企んでそう (2022年2月3日 12時) (レス) @page26 id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すっごい好きすっごいなんかもう好き(語彙力とは)、、、最初からここまで一気読みさせていただきました!1話1話の内容がとても面白くて、もっと読みたい!って思えました!!!更新を楽しみにしています。応援してます!!! (2022年1月8日 20時) (レス) @page12 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 五条達に悪女こそが家族と洗脳の術を使い、夢主ちゃん見ず知らずの誰あんたみたいな術をにしておく (2021年12月31日 6時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
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