選択 ページ38
五条さんが比較的真面目な顔をしている。
なんとなく真面目な話をするんだと察して、姿勢を正した。
なんだろう、真面目な話って。まあ、私がそう思ってるだけかもしれないけど。
「うん。Aは有夢に狙われている。このままだと、Aは僕たちが守り続ける必要がある」
『は、はい』
「でもそんなんじゃあいけないよねって話を、山本としたんだよね。訓練さえ積めば、Aには僕に並ぶほどの力がある。僕らが守るより、自分で自分を守る方が効率的だ」
『……嘘』
「ほんとだよ?僕、嘘つかないから」
そう言ってにこやかに笑う五条さん。あれ、山本さんのこと、名字で呼んでる。なにかあったのかな?
まあそれは置いていおいて、五条さんがすごくうさんくさい。嘘ついてそう。
私に、そんな力があるはずがない。そんな力があるんだったら、死にかけてるはずがないでしょ。
「そんな力があるなら、死にかけてなんかない……って?」
『えっ』
「図星?当たったかなぁ」
五条さんは微笑をうかべた。
もしかして、エスパーかなにか……?
なんとなく、五条さんが疑わしい。
「そんな顔しないで。さて、話を戻すけど、Aにやってほしいのは将来の選択です!」
『将来の、選択?』
「そう。なんか予想外って顔してるね。そんなに?」
『うん』
もっと難しいこととか、具体的なのが来ると思ってた。
なんとなく、真面目な話をする感じの顔をするし。もしかして私、無駄に察したってわけ?
五条さんは手を広げて、指を広げながら選択肢を示した。
「1個。普通の人と同じように生活して、僕たちに守られて過ごす。まあ、現状維持だよね。2個。自分で自分の身を守るようになる。この場合、僕たちのちょ〜厳しい訓練を受けなきゃならない。3個。硝子の手伝い。国家試験に合格してもらいまぁす」
『それから選ぶの?』
「うん。どう?どれがいい?」
『どれがいい、って……』
なんとなく、1個目は嫌だなって思う。守ってばかりは嫌だから。
それに、2個目は厳しい訓練付きだから嫌だ。多分それを乗り越えたらいいことがあるんだろうけど、今はそれが全く思いつかないし。今考えたって仕方ないよね。
3個目は……どこでその話を聞いたんだろう。そしてどこで、家入さんは察したんだろう。なんか色々怖いよその選択肢は。
どれがいいのか、ちょっと考えてみる。
まあ、考えたとしても、今のところ3個目しかありえないんだけどね。
私は手を出して、指を三本広げた。
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ツバメ - 甚爾と(彼女?)妹と偶然出会って知り合いにもなって欲しいです (2022年2月8日 18時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 面白いし五条さん妹愛ばかになりつつあると思うけどそれなりに仲良いと思います この子には凄く難しいかも知れませんが伏黒甚爾生存で彼をなんだかんだで助ける事出来ませんか?闘うのも有りですがやっぱり甚爾だけがいなくなってしまうのはダメかもと思うのです (2022年2月8日 18時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 屑女また企んでそう (2022年2月3日 12時) (レス) @page26 id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すっごい好きすっごいなんかもう好き(語彙力とは)、、、最初からここまで一気読みさせていただきました!1話1話の内容がとても面白くて、もっと読みたい!って思えました!!!更新を楽しみにしています。応援してます!!! (2022年1月8日 20時) (レス) @page12 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 五条達に悪女こそが家族と洗脳の術を使い、夢主ちゃん見ず知らずの誰あんたみたいな術をにしておく (2021年12月31日 6時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
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