将来のこと ページ35
家入さんはそっと手を離すと、ゆったりと手と足を組んだ。
なんだか、家入さんにはその姿勢が似合っている気がした。
「ごめんね、ちょっと試させてもらった」
『試す？』
「あまりに悟が溺愛するものだから、どんな子なのか気になってね。意地悪な質問をした」
『意地悪な質問……』
確かに、小学生にしてもほとんどの子が分からない、って答えるような質問ばかりされた気がする。
それでちょっと嘘をついたし。いや、これがちょっとっていう時点で感覚が狂ってるけど。
ちょっと無理があることも無理矢理通した。うわあ、自分、必死すぎる。
「まあ、小学生でも賢い子ならこのくらい知っているし、考えられる。このまま行けば、中学は私立か国立の進学校に行けそうだな」
『私立か国立の……』
「行きたいと言えば、悟は行かせるだろ。もうそろそろ、進路について考える時期だしな」
『進路』
家入さんはにっこりと笑った。
確かに、小学校五年生の冬は、そろそろ進路について考えはじめる時期でもある。
でもそれは賢い子に限った話で、大抵の子は住所から指定された公立中学校に行く。本気で進路について考えるのは、高校を選ぶとき。
高校とか、将来のことについてはあまり考えたことはなかった。今までのんびり暮らしてたから、それが大きいと思う。
「どうせなら、いけるところまでいっておいた方がいい。Aがあちらが求めている学力を持っていれば、受け入れるだろうし」
『将来、まだなにも考えていない』
「小学生なんてそんなもん。将来を考えてなくて結構、詳しくは高校に上がる時に決めればいい。でもそのときの選択肢を考えると、いけるところまでいっておいたほうがいい」
いけるところまで。家入さんは私が特別賢い子だと思っているから、そう言うんだろう。
実を言うと、小学校で習うことがどのレベルかわからなくて、いまだに困惑している。
四則演算とか分数とか、そういうのは計算機でやってきたからよく分からないし、作文は苦手だし地図は読めないし理科の事象の名前を覚えられない。
つまり、私はそれほど優秀な方ではない。けっこう知らなかったことが授業で出てきたりして、毎日驚きの連続だったりする。
だから、あんまり賢くないんだよね、実は。
内心冷や汗が流れて仕方がない。
テストだってある程度の手加減をして、ある程度の点数を保っている。成績は目立って高い訳でもないから、優秀とは言えないし。
関わりがあるって、そういうこと。→←推理小説は好きじゃないけど
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ツバメ - 甚爾と(彼女?)妹と偶然出会って知り合いにもなって欲しいです (2022年2月8日 18時) (
レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 面白いし五条さん妹愛ばかになりつつあると思うけどそれなりに仲良いと思います この子には凄く難しいかも知れませんが伏黒甚爾生存で彼をなんだかんだで助ける事出来ませんか？闘うのも有りですがやっぱり甚爾だけがいなくなってしまうのはﾀﾞﾒかもと思うのです (2022年2月8日 18時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 屑女また企んでそう (2022年2月3日 12時) (レス) @page26 id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すっごい好きすっごいなんかもう好き(語彙力とは)、、、最初からここまで一気読みさせていただきました！1話1話の内容がとても面白くて、もっと読みたい！って思えました！！！更新を楽しみにしています。応援してます！！！ (2022年1月8日 20時) (レス) @page12 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 五条達に悪女こそが家族と洗脳の術を使い、夢主ちゃん見ず知らずの誰あんたみたいな術をにしておく (2021年12月31日 6時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
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