院長とお話し ページ26
翌日。
結局あまり眠れなくて寝不足な私のところに、院長がやってきた。
寝起きなせいで、頭がボサボサだし、声がうまく出ない。ちょっと恥ずかしかった。
「五条さん、おはよう。具合はどう?」
『……寝起きですいません』
「しっかりと寝れているようだね。安心したよ」
院長はパイプ椅子に座ると、私にいくつか質問してきた。私の体調とか、傷の様子についてだった。
私はそれに、違和感のないように丁寧に、すこしちぐはぐに話した。
院長は特に問題ないことを確認すると、私に向き直った。
「五条さん。ちょっとお話、いいかな」
『はい』
「知っているとは思うけど、君のお腹には穴が開いていた。本来ならば、助からないはずの傷なんだ」
院長は私が不思議がっているのを感じたのか、ふわりと笑ってカルテをめくった。
「実は、私の家系は呪術界と深いかかわりがあってね。昔から五条家には世話になっている。そんな私のもとに、五条家の養女である君が運ばれてきた。死なせるなという神の意思なんだろうね」
『……?』
「まあ、それはいいとして。私は家入君とも親交があってね。彼女には治らないはずの傷を治せる力がある。
五条家の
『お兄ちゃんが……?』
目をパチクリさせる。
家入さんに、大きな傷を治す力がある。どうしてなのかは深く触れないでおく。
五条さんがそれを私に使うよう、家入さんに指示して、院長を通して私を治療した。そういうことらしい。
「運ばれたときの君は、そりゃあまあひどかったよ。紛争地域へ行ったことのある看護師が目を背けるほど、ね」
『そんなに……』
「ああ。本来なら別の医師が手術を担当するはずだったんだが、家入君が来たということで、私が君を担当することになった。
細かい方法は教えられないけど、あの手この手を使って君をなんとか回復させたというわけだ」
『それでリハビリもできて、ってことですか』
院長は一つうなづくと、私にカルテを見せる。
それは私のカルテだった。院長の指し示すところを見ると、私のお腹に穴が開いていた、そのことが書かれていなかった。
でもその代わりに、なんて書いてあるのかよく分からない単語が並んでいた。
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ツバメ - 甚爾と(彼女?)妹と偶然出会って知り合いにもなって欲しいです (2022年2月8日 18時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 面白いし五条さん妹愛ばかになりつつあると思うけどそれなりに仲良いと思います この子には凄く難しいかも知れませんが伏黒甚爾生存で彼をなんだかんだで助ける事出来ませんか?闘うのも有りですがやっぱり甚爾だけがいなくなってしまうのはダメかもと思うのです (2022年2月8日 18時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 屑女また企んでそう (2022年2月3日 12時) (レス) @page26 id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すっごい好きすっごいなんかもう好き(語彙力とは)、、、最初からここまで一気読みさせていただきました!1話1話の内容がとても面白くて、もっと読みたい!って思えました!!!更新を楽しみにしています。応援してます!!! (2022年1月8日 20時) (レス) @page12 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 五条達に悪女こそが家族と洗脳の術を使い、夢主ちゃん見ず知らずの誰あんたみたいな術をにしておく (2021年12月31日 6時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
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