【呪術廻戦】五条さんの妹になりました 3

下校時は気をつけようね ページ13

ここからキモくて、やばい(語彙力の低下)描写がたくさんあります。
苦手な人はご注意ください。


＊＊＊＊＊＊


あまりに私の周りを回ってばかりなので、もうこれ解けるんじゃないかと思う。
触っても熱くないし、ここから動けないこと以外、特に困ったこともない。いや、動けないから困っているんだけど。

もしかしたら、運転手さんが私のことを校門で待っていてくれているのかもしれない。悲しいことに、待てど暮らせど私は運転手さんのところには現れない。
それか、山本さんが気付くかもしれない。学校の前に車がある、もう私は下校したはずなのに、って。でも探しに来るかとかは別だよね。なにか用事があって遅いのかも、とか考えるだろうし。
あれ、私、今すごくピンチじゃない？


『……どーしよ』


そういうつぶやきも、静かな住宅街では誰も拾ってくれない。
いや、ほんとにだれかに来てほしい。五条さんでも運転手さんでも山本さんでもいいから、炎を消してくれる人に会いたい。うぅ、だれかぁ。

そうやって悲しくなって、地面を見ていると、じわりと視界がにじんだ。
あ、これ、泣くやつ。生理的な反応なのこれは？別に泣きたいわけじゃないのに、涙が出る。
ちなみに手も動かないので、涙を拭くことも出来ない。悲しすぎませんか。

私がポロポロと涙をこぼし続けていると、目の前にふと人影を感じた。というか、目の前に誰かの影が現れた。
山本さんとかなのかな、でもなんか雰囲気が違うような、と顔をあげると、そこには深く帽子をかぶってマスクをして、顔を隠したような男の人がいた。
え、だれこの人。なんかちょっと、キモいし。


「……いた、聞いた通り……」
『え？』
「かわいいね、君」


その人は私に手を伸ばしてくると、私の肩に触ってきた。その手つきがどこかいやらしくて、私はその手を振り払う。
それでもその人は私に手を伸ばしてくる。今度は肩を抱くように触ってきた。


『やめてくださいっ……！』
「でも君、かわいいね。おじさんと来ない？」
『やめてください！』


これ、やばくない？
再び手を振り払いながら、必死に頭を回転させる。
もしかして集団下校してたのって、不審者情報が出てたから？
もしかしたら、学校で注意喚起があったのかもしれない。でも、私はそれを聞いていなかった。私の責任だ。私が、悪い。

私が呆然としていると、ふとお腹に鈍い痛みを感じた。
その痛みはじわじわと広がっていって、やがてそれが脳内を埋めつくした。

幸せだった→←排除される

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す