■50 ページ24
でも、目を逸らされて嫌な感じはなかった。
きっと、目が合わなくても、しっかり私のことを見てくれている気がしたからだ。
貴｢どうしたの？｣
国｢……一緒に帰りたくて｣
貴｢そうなんだ、いいよ！｣
妙な間があったことを不思議に思ったが、彼がなにか話したげなので、とりあえずスルーして先に返事を返す。
国｢……あとさ｣
再び目が合う。
けどまた逸らされる。
国｢言いたいことあったから、来た｣
貴｢なになに？どうしたの？｣
私がそう聞いても、彼は目を合わせては逸らすの繰り返しでなかなか言葉は来なかった。
その視線があちこち動きながら必死に言葉を出そうとしてるのが伝わって、それが面白くて少し笑ってしまう。
笑い声に驚いたのか、顔を上げて今度は長く目が合った。
そして、落ち着けるように軽く呼吸を整えた彼は、まっすぐに私を見た。
全て見透かされそうなそのまっすぐな視線に思わずこっちが目を逸らしそうになる。
国｢俺さ……｣
目を逸らす前に彼が放った言葉のおかげで、そのまま彼を見つめることが出来た。
貴｢うん｣
そう次の言葉を待てば、次に私に響いたのは、とてもすぐには信じられない言葉。
国｢好きなんだ……岡本のこと｣
言葉の意味が理解出来なくて、頭の中で何度も何度も確認した。
【好き】？
【岡本のこと】？
岡本って、私？
私のことが好き？
私……？
貴｢………ぁ、えっ？私！？｣
しばらくの間のあとに出たその言葉に、国見くんには、それ以外に誰がいるんだ、といいたげな顔をされる。
貴｢っ……あの…ほ、ほんと？…だよね｣
国｢…うん、もちろん｣
貴｢と、友達が好きでとかじゃないよね？｣
国｢うん。ちゃんと……俺が好きで｣
貴｢っ…そうだよね｣
思わず何度も確かめる。
けどその行動も恥ずかしいものだとすぐに気づく、
自分の顔に熱が集まるのが分かって、思わず両手で顔を塞ぐ。
緊張感と心臓の鼓動の早さから、思わずその場にしゃがみこんだ。
すると、国見くんも私の目線に合わせるようにしてしゃがみこんでくれる。
国｢……一応告白なんだしさ、返事……欲しいだけど｣
目の前の彼からそう言われ、慌てて返事を考える。
けど、慌てすぎて上手く言えてなかったのか、彼からはまず落ち着け、と言われてしまう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 200人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千尋(プロフ) - 完結おめでとうございます(*･ω･ﾉﾉﾞ☆ﾊﾟﾁﾊﾟﾁくにみんかわいい(*´ч`*)そして、かっこいいm9(+ゝω･´+)ｶｯｺｲｨ───ｯ☆今までお疲れ様でした。これからも頑張ってくださいヾ(ﾟ▽ﾟ*)>ﾌﾚｰ!!ﾌﾚｰ!!<(*ﾟ▽ﾟ)ﾂ (2018年3月24日 15時) (
レス) id: 0733cf80bf (このIDを非表示/違反報告)
お豆腐／月斗。(プロフ) - 伊勢天さん» ありがとうございます！！ (2017年11月26日 13時) (レス) id: 2102dbe1ea (このIDを非表示/違反報告)
伊勢天 - 面白いです！ (2017年11月26日 7時) (レス) id: 7c89436af4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月斗。 | 作成日時：2017年10月22日 8時
