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よく見ると、その耳はほんのりと赤い。
なんだ、ただの照れ隠しか。
「……何を笑ってるんですか？」
「え？ あぁ、いや何も？」
「はぁ……頼むからあの時のことは綺麗さっぱり忘れてくれ」
そう言われても、銃兎さんがこんなに慌てるようなこと、そう簡単に忘れられるわけが無い。
それにあの銃兎さんが、耳を真っ赤にしながらお願いしてきてるなんて、もう二度と見れないかもしれないし。
忘れるなんて勿体なすぎる。
とは言うものの、ここで快い返事をしないとそれはそれで怒られそうだ。
忘れるつもりはないけど、とりあえず「はーい」と答えておく。
．
「随分楽しそうだな」
「えっ？ ……え、ちょっ!? うわっ!?」
突然立ち上がったかと思えば、あっという間に抱き上げられて気づけば横抱き、所謂お姫様抱っこされていた。
「ちょっと、銃兎さん!? 急になに!? ねぇってば!!」
そう声をかけても返事はない。
無言でズカズカと進んだ先、降ろされたのは銃兎さんのベッドの上だった。
「じゅ、銃兎さ」
ベッドの上でだらしなく転がる私に覆い被さる銃兎さん。
口を塞がれ、ゆっくり体制を整えられる。
今までとは比べ物にならないくらい、長くて激しいキス。
苦しくて少し口を開けば、待っていたかのように銃兎さんの舌が侵入してきて、口の中を荒く掻き乱される。
「……いいのか？」
ようやく唇が離れたかと思えば、不安げにそう聞かれる。
「嫌なんだったら言えよ？」
正直言って私自身も驚いている。
勝手なイメージ、初めてって痛いし入らないしで、もっと怖いものだと思ってた。
それが、実際銃兎さんに聞かれてみて、不思議なことに、全く怖さがなかった。
なんでだろう。
銃兎さんだからかな？
今胸の内にあるのは安心とほんの少しの緊張と、愛しさだけだった。
．
「……嫌って言っても、銃兎さん意地悪だから聞かなさそうだけど？」
．
自分でも呆れるくらいに天邪鬼な私は、素直に胸の内をあけてしまうのが恥ずかしくて、ついそんな言い方をしてしまう。
すると銃兎さんは、深いため息をついて、
「どこでそんな誘い文句覚えたんだ」
と、零す。
．
熱を帯びた瞳を揺らす銃兎さんと目が合った。その瞳は、闇に差し込む月明かりに照らされて、群青色に輝いた。
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おたくちゃん - ｺﾞﾊｧ（吐血）最推し...尊い... (2021年5月7日 21時) (
レス) id: 210f23da0b (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまうくらい面白かったです。そして、めっちゃドキドキしました(*´ω｀)この物語、大好きです！ (2021年1月3日 20時) (レス) id: e7a52269e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月斗。 | 作成日時：2020年12月17日 7時
