引く ページ8
貴方side
外からは暑苦しい気合いの声が聞こえている。
ここにくるのは随分と久しぶりだ。
ここは見習いたちが訓練を受ける棟。僕が少し前まで毎日を過ごしていた場所だ。
今は毎日別棟の青キジ大将の資料を片付けるか、頼まれた策を練り資料を提出するかの仕事ばかりで、訓練は受けていない。
僕の立ち位置は僕にとって良くも悪くも…というか悪い意味で特別なのである。
「…おい、あれ…」
「なんでこんなとこに…」
あまりここには来たくなかったんだけどなぁ…
無能のはずの女が突然出世した
おそらく同期の中では僕ァそう言う認識で通ってるだろう。
文武ともにパッとした成績を残していない僕が、急に大将直属の部下になるなんて、普通に考えて有り得ない。
たとえ僕の才能を説明されていたとしても、にわかに信じられることではないだろうし。
良からぬ噂が流れていてもおかしくない。
ぶっちゃけ気まずいので来たくなかったが、この古びた手帳を持ち主に返却しなければならないのだ。
誰かに頼んで届けてもらうと言う考えもあったが、直接あの馬鹿に言っときたいことがある。
…あ、いた。
貴「…ねぇ」
後ろから声をかける。振り向いた瞬間彼は目を見開いた。
貴「今暇だよね。ちょっとつきあってよ。」
僕は有無を言わさず、彼の手を引いた。
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貴方side
貴「はい、これアンタのだろ。」
差し出した手帳を見るなり彼の顔は引きつった。
「う、あっ、ありがとう」
半ば奪うように僕から手帳を受け取ると彼は背を向けその場から離れようとした。
いやまてまて。
貴「まてよ。まだ話は終わってない」
すると彼は肩をビクつかせて足を止めた。
まだ言わねばならんことがあるからね。
貴「君さぁ…僕をストーカーしてるらしいじゃない」
彼は振り向くことをせず、ただ僕に背を向けている。こっちみろよ。
貴「ただストーカーしてるだけならまだしも盗撮もしてるって聞いたからさ、一言言っとこうと思って」
彼は弁明も否定もせず、黙っている。
なんだこいつ。
貴「気色悪いからさ、やめてくんない？そう言うの」
彼の背中を睨みつける。ここまで言っときゃやめるだろう。同時に心も折れるかもしれないが、知ったことか。
しばらくの沈黙のあと、彼はゆっくりとこちらに振り向き＿
「もっと…罵ってくれ…っ」
貴「は？」
ドM発言をした。
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リピリピ(プロフ) - もう一話ほどオリキャラ展開が続きますが、すぐに頂上戦争に移りますのでもうしばらくお待ちください…！ (2022年10月29日 11時) (
レス) id: 4ca1cec3dc (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 更新ありがとうございます…！！今後も楽しみに待たせていただきます…！ (2022年10月12日 21時) (レス) @page40 id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
あお - 更新お疲れ様です！楽しみにしてますので、これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！応援してます (2021年6月3日 23時) (レス) id: d1364640ca (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - 久しぶりに見たら更新されてて滅茶苦茶嬉しかったです！これからも更新頑張って下さい！応援しています。 (2021年5月30日 21時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 待ってます、応援していますね。 (2020年12月22日 23時) (レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リピリピ | 作成日時：2019年8月21日 15時
