【幕間】お呪い ページ47
ずっと、解けない呪いに蝕まれている。
＊
燃えている。燃えている。白亜の城が、生い茂る緑が、人々が、灰になっていく。
「如何してですか」
眼前には一人の女が息荒く倒れていた。
溢れ出る血はもう止まらない。
もう、命は持たない。
「いくら個の実力はそちらに軍配が上がろうと、こちらには数がある。それを扱いきれないワタシではないと、貴方がよく知っているでしょう」
「は、流石です聖女サマ！自信満々なことで」
「ふざけるな！！」
血を流す口からでる軽口に耐えられず叫ぶ。奮い立たせていた体が、情けなく崩れ落ちる。
「捨てたんじゃ…なかったのですか」
絞り出した声は、驚くほど震えていた。
ワタシはどうやら泣いているらしい。
「ようやく…この国を捨ててくれたと、思ったのに」
「それはない」
ピシャリと言い切られる。
「ぼくが死ぬのなら、この国の土の上だ。それ以外はない」
「何故」
「愛しているから」
「腐っていても？」
「そうだ」
「だったら何故！国を裏切った！！」
咆哮が、響く。
「見ろ！崩れ落ちる白亜の城を！灰になっていく緑を！栄光は堕ち、未来は潰えた！この結果のどこに愛がある！」
燃ゆる炎の熱が、肺を焼いた。
「…国を愛していたなら…その血でワタシを使えばよかったじゃないか…！」
そうすれば多少の栄華は望めたろうに。
「く、ふふ…あはは」
「何が…！」
「いや、お前、素はそんななんだな…ふふ、良いじゃねぇか。普段よりましだ」
心底おかしいと、血を吐きながら腹を抱えて笑っている。
「そうさ、そっちの方がましだ。聖女なんて気色悪い」
＿なぁ、聞けよ、アポートル・A・A。
「ぼくは直に国と死ぬ」
「っ…」
「わかるか、お前はもう、何にも縛られ無い」
なにを、
「『在りたいように生きろ』」
「＿は、」
体が硬直する。神経の隅々までその言葉が響いた。
「まて、」
「初めは、何かの真似でも良い。ただ、自分を愛せるように…『お前の理想のお前になれ』」
「まて！！」
きみは、知らないんだろうね。
「『お前は…自由だ！』」
燃えている。麗しの国が、燃えている。
あぁ、自由で誇り高い、きみには、きっとわからなかったろう。
僕が、望み続けた在り方は。
「っぐ、…！ぅ"う…！！」
僕はずっと、
「＿お前のようになりたかった」
どうしたって出来の悪い猿真似にしかならないのに、酷い、酷い、お
やがて炎は、その全てを焼き尽くした。
僕を、除いて。
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リピリピ(プロフ) - もう一話ほどオリキャラ展開が続きますが、すぐに頂上戦争に移りますのでもうしばらくお待ちください…！ (2022年10月29日 11時) (
レス) id: 4ca1cec3dc (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 更新ありがとうございます…！！今後も楽しみに待たせていただきます…！ (2022年10月12日 21時) (レス) @page40 id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
あお - 更新お疲れ様です！楽しみにしてますので、これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！応援してます (2021年6月3日 23時) (レス) id: d1364640ca (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - 久しぶりに見たら更新されてて滅茶苦茶嬉しかったです！これからも更新頑張って下さい！応援しています。 (2021年5月30日 21時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 待ってます、応援していますね。 (2020年12月22日 23時) (レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リピリピ | 作成日時：2019年8月21日 15時
