咎 ページ45
貴方side
「言ったでしょう、私は貴方を侮らないと…！」
貴「っぐ、ぁ…！」
僕を押さえつけんとする拳が、胸骨にめり込む。無駄に鋭い触覚が過剰なまでに痛みを伝えてきて鬱陶しい。
潰された蛙のような呻き声をあげる僕を見下ろして、オリバーは言葉を続ける。
「ええ、ええ！何故私が賊に堕ちたか？生き抜くためです！誇り高きアコルデを真の意味で無くさぬためです！私は！恥じる行為など一つもしていない！」
貴「は…っならば、何故そうも怒り狂う。賊に堕ち、汚職に手を染め、悪鬼羅刹と仲良く晩酌を交わす…いやなに、素敵な第二の人生じゃな「黙れ！！！！」」
「黙れ黙れ黙れ！！すべてお前のせいだ！お前があの日あの女を止められていればこうはならなかった！研究所だかなんだかから逃げてきたお前を保護してやったのは誰だと思ってる！畜生にも劣る出生の穢らわしいお前を誰が聖女に仕立ててやったと思ってる！大体なんだその口調は！あの女の猿真似か！穢らわしい！！あぁぁぁ！何故だ！何故、アコルデ貴族たる私が爛れた賊に堕ち！お前が軍になど…！！」
言葉を重ねるごとに押さえつける力は強くなっていく。
気が狂ったように吠える男の目には信仰心では無く、憎しみだけが映っていた。
この男はこういう男だ。昔から何も変わっていない。こうして発狂したあとは、決まって、
「しかし…ええ、ええ。許しましょう。赦しましょう。貴方の不敬も侮辱も私が裁き罰します。大丈夫。痛むでしょうが耐えられます。そしてそれが終われば＿共に麗しきアコルデを創りましょうぞ」
柔らかな声色で神経を逆撫でする。
貴「…そうか」
「…どうしました」
踏みつけられる腕の痛みを堪えて喉を震わす。
貴「そこまで渇望する、なら、アコルデを…創ってやっても、いい」
押さえつけられる力が、わずかに弱まる。
「！！おぉ…！」
諦めたような僕の眼を見たオリバーは、馬乗りになったまま感極まったように己を抱きしめた。
「おぉ、おお！ようやく…！ようやくわかってくださったのですね！！聖女アポートル・Ａ・Aよ！」
よほど嬉しいのだろう。身を捩り、震え、雄叫びを上げる。
「ああ、ああ！貴方を探し続けてよかった！！私も身を汚した甲斐がある！思えば地獄のような年月でした！下品な賊に囲まれる毎日…！それがやっと報われる！」
「…だが」
＿全く、気が狂いそうだ。
貴「それはお前が生きていればの話だ」
「アコルデ万歳！！！！！！」
刹那。一発の銃弾が、オリバーの心臓を貫いた。
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リピリピ(プロフ) - もう一話ほどオリキャラ展開が続きますが、すぐに頂上戦争に移りますのでもうしばらくお待ちください…！ (2022年10月29日 11時) (
レス) id: 4ca1cec3dc (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 更新ありがとうございます…！！今後も楽しみに待たせていただきます…！ (2022年10月12日 21時) (レス) @page40 id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
あお - 更新お疲れ様です！楽しみにしてますので、これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！応援してます (2021年6月3日 23時) (レス) id: d1364640ca (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - 久しぶりに見たら更新されてて滅茶苦茶嬉しかったです！これからも更新頑張って下さい！応援しています。 (2021年5月30日 21時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 待ってます、応援していますね。 (2020年12月22日 23時) (レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リピリピ | 作成日時：2019年8月21日 15時
