言ったってしょうがない ページ38
貴方side
「今一度策を頭に叩き込め！」
「銃弾はどうした！一セット足りんぞ！」
「中将！！先ほどの件なのですが…！」
エースが本部に到着予定時間まで一時間を切っていた。
時計の針が進むたび、空気はひりついていく。
まぁ、そりゃそうだ。なんせ鬼より恐ろしいと謳われた伝説が直々に海軍を叩き潰しにくるんだから。
さしもの僕も今回ばかりは他人事でいられない。
足早に歩を進めながら、白ひげ傘下の海賊たちの手配書を確認する。
貴「＿＿＿＿」
つ「…A？」
立ち止まる僕に、おつるさんは眉を寄せて振り返る。「いえ」とだけ返して、僕はそのままおつるさんの後ろを歩いた。
つ「黒ひげの件、気にしてるかい」
おつるさんの言葉に、僕は目を伏せる。
貴「…いえ、今はともかく、あの時点では僕のわがままでしかなかった。元帥殿の判断は適切でしょう」
“マーシャル・D・ティーチから七武海の称号を取り上げろ"
一度だけ、僕はそう元帥殿に直訴した。結果はお察しだが。
つ「私もなんとなく嫌な予感はしてたけれどね。今となっては…いや、今更言っても仕方ないか」
七武海の招集は済んでいる。白ひげと繋がりがあったジンベエはともかく＿黒ひげ、マーシャル・D・ティーチは未だに姿を見せない。
貴「なんとなく、で七武海の席を一つ空けられるほどの余裕など軍にはない。わかっていたことです。そも信頼うんぬんの話ならば、七武海など一人も信用できませんし」
白ひげという男を前にして、わざわざ戦力を削るなど愚の骨頂。
たとえそれがどれだけきな臭くとも、使えるものは使わなければならない。なぜなら、それでもまだ足りないのだから。
海軍の歴戦の猛者が、賢者が、その力の全てを賭けてもなお不安要素は拭えない。
そういう男に、僕らは今、戦争を仕掛けられる。
貴「黒ひげもまた、白ひげに因縁のある男です。白ひげを潰せるチャンスがあるこの場に彼がくると、僕ですらそう思っていた」
舌打ち混じりにそう溢す。
仲間殺しという、船において最も重い罪を持つ黒ひげ。
白ひげはそれを許さず、黒ひげはどちらかが死ぬまで彼に追われる立場になった。
その業から逃れるには、今日白ひげを討つしかない。
貴「買い被りすぎたのです。黒ひげという男が、自らの手で終わらせる度胸があるなどと」
私情混じりの声色に、おつるさんは一瞥だけして耳を傾けてくれている。
肯定も否定もない気遣いが、少し心地よかった。
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リピリピ(プロフ) - もう一話ほどオリキャラ展開が続きますが、すぐに頂上戦争に移りますのでもうしばらくお待ちください…！ (2022年10月29日 11時) (
レス) id: 4ca1cec3dc (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 更新ありがとうございます…！！今後も楽しみに待たせていただきます…！ (2022年10月12日 21時) (レス) @page40 id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
あお - 更新お疲れ様です！楽しみにしてますので、これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！応援してます (2021年6月3日 23時) (レス) id: d1364640ca (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - 久しぶりに見たら更新されてて滅茶苦茶嬉しかったです！これからも更新頑張って下さい！応援しています。 (2021年5月30日 21時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 待ってます、応援していますね。 (2020年12月22日 23時) (レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リピリピ | 作成日時：2019年8月21日 15時
