契約 ページ32
貴方side
クロコ「それで？頼みてぇことってのはなんだ。ついに俺の元に下る決意でもしたか」
冗談を諌めるように音を立てて駒を置く。
クロコダイルはさして気にする様子もなく、葉巻に火をつけた。
貴「まさか。僕が望むのは対等な契約ですよ」
クロコ「ほぉ」
すぅっと目が細まる。タバコの煙がふわりと広がった。
貴「＿＿小船を一隻」
クロコ「…は？」
貴「正確には逃走ルートの確保ですが」
吐き出された煙が鬱陶しくて、軽く払いのける。
薄目でクロコダイルを見れば真っ黒な笑みを浮かべていた。
クロコ「クハハハ！お前にとって最大の後ろ盾である海軍を捨てるか！なんだ、ついに暑苦しい正義に飽き飽きしたか！それとも気が狂ったか！？」
まぁそう思われても仕方ないだろう。
僕が今海に出るということは、最も避けるべき悪手。
真っ当な人生を望んでいるならすべきではない。
だが…そう流暢なことなど言ってられないのだ。
貴「以前、政府の犬が直々に会いに来まして。すぐに移動はないでしょうが、時間がないことは確かです」
クロコ「なるほどなぁ…だがどうする。俺にその話を持ちかけるってこたぁ、相応以上の対価を求められるのはわかってるな？」
まぁ、だろうな。ドフラミンゴのような快楽犯ではないとはいえ、こいつも大概だ。だが、
貴「海軍の移動情報…まぁ、余計な戦力を増やさないためにも必要でしょう、国を乗っ取るには」
ピキリと、駒にヒビが入る。
それは僕の私物なんだがな。
クロコ「どこで知った」
貴「貴殿が英雄などあり得ないでしょう。正義の味方を名乗るならもう少し性格を改善すべきでしたね」
ヒーローにしては手が出るのが早すぎるしな
クロコ「なるほどなぁ…つまり、俺もお前も互いに他人に知れちゃまずい弱みを握れるわけだ」
貴「えぇ。そうなりますね」
この男は、ぶっちゃけたいして僕が欲しいわけではないのだ。優秀で信頼できる部下はいくらでもいる。
こいつが最も恐れているのは僕が敵に回った時。僕の実力を計りきれていない以上、どこまでが手の内かわからない。
だから弱みを作る。こいつが僕の裏切りにより被害を被ったときに、僕も道連れにできるように。
貴「お気に召しましたか」
クロコ「クハハ、いいだろう。その案、乗ってやる」
チェックメイトの駒を静かに置いた。
失敗失敗大失敗！→←その後ろ姿は、死地に向かう兵士に似ていた。
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リピリピ(プロフ) - もう一話ほどオリキャラ展開が続きますが、すぐに頂上戦争に移りますのでもうしばらくお待ちください…！ (2022年10月29日 11時) (
レス) id: 4ca1cec3dc (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 更新ありがとうございます…！！今後も楽しみに待たせていただきます…！ (2022年10月12日 21時) (レス) @page40 id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
あお - 更新お疲れ様です！楽しみにしてますので、これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！応援してます (2021年6月3日 23時) (レス) id: d1364640ca (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - 久しぶりに見たら更新されてて滅茶苦茶嬉しかったです！これからも更新頑張って下さい！応援しています。 (2021年5月30日 21時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 待ってます、応援していますね。 (2020年12月22日 23時) (レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リピリピ | 作成日時：2019年8月21日 15時
