無知 無情 無神経 ページ16
「何してるんだ」
「アァ？」
一人の海兵の声が、裏路地に響いた。
海賊はその声に反応し、不機嫌そうに振り返ったが、海兵を見るなりその口元はにやける。
「なんだよ兄ちゃん、邪魔しないでくれねぇか？」
酔っているのだろう。フラフラな足取りで白いシャツを着た男が海兵に近づいた。
「その人を解放しろ」
「はぁ？」
それを聞くなり男はケタケタとやけにガラガラな声で笑った。
「おいおい、お仕事もいいが海兵さんよ、うちのキャプテンは六千万ベリーの賞金首だぜ？そんな態度とっていいのかよ」
「だからなんだ」
「…アァ？」
海兵の態度に腹を立てたのか、海賊たちは怯えた女に絡むのをやめて海兵をにらむ。
それでもその海兵は臆することなく睨み返した。
「…無知が…わからねぇなら教えてやるよ」
彼らの脳に戦闘開始のゴングが鳴り響く。
「＿らぁっ！っ"ぐっ」
雄叫び、痛みに耐える声。
初めはひとりの海兵が優勢だった。
その首に六千万ベリーの賞金がかかっている男が動くまでは。
「っ！」
海兵の腕ギリギリを弾丸が通り抜ける。
傷は深く、血はすぐに溢れ出た。
一瞬の気の緩みが、3対1というハンデを目立たせる。
「う"っ！」
何度も殴られる。この状況では受け身さえまともにとれなかった。
「どっちが上か、理解できたかよ」
「お前らがゲスで卑怯者だってことは理解できたよ」
煽るように血まみれの顔に笑みを浮かべる海兵。
「…今俺は気分が悪りぃ…あんまイキってんじゃねぇぞ」
銃口が、海兵に向けられた。
そしておもむろに引き金に手をかけ＿
ガンッッ
鈍い音が響いた。
一瞬、彼らは放心状態に
六千万ベリーの男が何かに頭を強打し、崩れ落ちた
たったそれだけのことを理解するのに、数秒必要だったからだ。
だがそれを理解する前に、他二人の海賊も同時に崩れ落ちた。
「…!？」
驚きを隠せない海兵に、気だるそうな声がふってくる。
貴「だぁから言ったでしょう。力不足だって」
見上げれば、ゴツゴツとした石を心底重そうに抱えながら白髪を揺らす少女が一人
貴「おまけだ六千万」
トドメを刺すかのように、その両手の石をすでに流血している海賊の頭にクリーンヒットさせるA
貴「この程度の距離なら技術さえあれば案外なんとかなるもんですね…つか貴方何放心してるんですか。女性を助けるためにわざわざ勝てない喧嘩を売ったんでしょう」
さっさと女性のケアしろや、と言うように、女性を建物の上から指差す彼女。
その姿に海兵は彼女を心強く思い、そしてほんの少し、嫉妬した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 590人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リピリピ(プロフ) - もう一話ほどオリキャラ展開が続きますが、すぐに頂上戦争に移りますのでもうしばらくお待ちください…！ (2022年10月29日 11時) (
レス) id: 4ca1cec3dc (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 更新ありがとうございます…！！今後も楽しみに待たせていただきます…！ (2022年10月12日 21時) (レス) @page40 id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
あお - 更新お疲れ様です！楽しみにしてますので、これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！応援してます (2021年6月3日 23時) (レス) id: d1364640ca (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - 久しぶりに見たら更新されてて滅茶苦茶嬉しかったです！これからも更新頑張って下さい！応援しています。 (2021年5月30日 21時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 待ってます、応援していますね。 (2020年12月22日 23時) (レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リピリピ | 作成日時：2019年8月21日 15時
