・ ページ37
次の日。
冷たい風が皮膚を刺激する時間帯。
寝ているボンベ様を起こし、汽車から降りる。
降りた場所は、ニール国の玄関口とも言われる場所。
舗装のされていない道は、治安の悪さを物語る。
そもそも。
ニール国には税金という制度が無い。
その為、道を舗装するのは気が向いた善人。
ニール国にそんな人間が居る訳が無いので、この通り。
そこからはまた馬車で移動する。
ガタガタと揺れる馬車に気持ち悪くなったボンベ様の背中を擦る。
zm「あ"り"がと"う"」
『喋らないで下さい。
馬車の中を吐瀉物の匂いで充満させる気ですか。』
zm「そ"ごま"でい"わ"ん"でも"え"え"や"ん"」
暫くすると、目的地に着いた。
大きな城ではあるが、所々蔦が伸びていたり、欠けていたりするのは、我々国との違いだろう。
赤いカーペットの引かれた城内を、使用人に案内をして貰いながら歩く。
「此方でニカル様が御待ちです。」
大きな扉の前で止まった。
『有難う御座います。』
私は使用人に一礼をし、扉を軽く叩いた。
中から声がする。
nk「どうぞ。」
『失礼致します。』
中には太々しく椅子に腰かける、男性が居た。
威圧的なその態度は、【俺が上でお前が下】と言って居るかの様。
顔は少し光って居り、微妙に伸びた髭が気持ち悪い。
『お初にお目に掛かります。
我々国に従事させて頂いて居ります。外交官のヴェラ様が多忙の為、本日は参りました。A・ハーハートと申します。
後ろに居るのは護衛で、ゾム・ボンベです。
宜しくお願い致します。』
私とボンベ様は彼に深く礼をした。
男は席から立ち上がり、此方に向かって小さく一礼した。
nk「んあー,,。
ニール国の外交官ルーラ・ニカルです。」
面倒臭そうにそう言う男に、途轍もない不快感を覚える。
『では、早速ですが条約についての話し合いを行いましょうか。』
私は男の向かいに座り、資料を広げた。
『本国と貴国の条約ですが、此方としましては締結したいと考えて居ります。』
私の発言に眉を顰める男。
nk「思ったのですが、此方の条約。本国に利益が無い様に見られるのですが。そちらの点については、どうお考えになられるのですか。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 310人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青酸カリになったもち。 - これからヤンデレに…ｳﾌﾌﾌﾌﾌ(((続き気になりますねぇ…更新頑張って下さい！応援してます(*´∇｀*) (2022年9月11日 11時) (
レス) @page28 id: c02fbdf097 (このIDを非表示/違反報告)
汝 - 翡翠さん» こちらこそです。 (2022年9月7日 8時) (レス) id: c689c7f624 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ヤンデレ...大好物です(*^^*)ありがとうございますm(_ _)m (2022年9月6日 23時) (レス) id: 03e173a6aa (このIDを非表示/違反報告)
海 - これからヤンデレ化していくのかな、、、？続きが気になります！更新頑張ってください！ (2022年9月6日 21時) (レス) @page16 id: 5511dd41f6 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 文章…キャラ構成…性格…全てが神がかってる✨少し前から読み進めていたのですが…最新話まで一気に読めてしまいました！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2022年8月30日 23時) (レス) @page7 id: 03e173a6aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：汝 | 作者ホームページ：http://nanzi
作成日時：2022年8月29日 19時
