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<複数の糸> ページ31

総統室に行くまでの道のりが、とても長く感じた


自分が何処を歩いているかも、意識の中では定かでは無い。


微かに着いて来る気配を意識の頼りに歩く。


私が今此処で気を抜いたら、倒れるだろう。




それ位、重い決断をした。







総統を殺す。







しかも自分の為に。





世間一般ではこれを、【自己中心的】と言うのだろう。





自己中心的でも、裏切者でも何でも良い。





私の事で精一杯。




嗚呼、こんな考えもどうせ忘れるのだろう。




何かで吹っ切れて、何処かに行くのだろう。




なら、もう良いか。







私の脚はいつの間にか、総統室の扉の前まで来ていた。


大きい華美なその扉を叩く。


『失礼します。ハーハートです。』

昨日より震える声に、驚くことは無い。


「入れ。」


何時もより低めの総統様の声。

私の心と瞳を揺らすには、十分な素材だった。


「どうした。」


疑心を含むその声は、何処か遠くに聞こえた。

何処かの遠い誰かに聞く様な声。


『総統様に渡したい物があり、参りました。』

「ほお。何だ?」

彼は、私の方を軽く見ると不思議そうに言った。


『此方になります。』


私は、彼の大きい机の上にソレを置いた。


「辞めたい。という事か?」


『はい。そうです。』


「お前の必死にしがみ付いて取ったこの地位を、【自分で捨てるのか】?」





捨てたくない渡したくない返したくない。






でも。





『私を捨てたのは貴方でしょう。』


「俺はまだ捨ててないぞ。」



『私の「忠誠心」は貴方に焼かれ捨てられました。』



私は彼の眼をしっかりと見つめ、喋り続ける。



『貴方に言われました。【お前に外交官の様な高尚な地位は似合わない】と。』



『だから辞めるのです。

総統様に言われたから辞めるのです。』



『貴方以外に「辞めろ」と言われても、辞めませんでした。



でも、貴方に昨日、言われました。』





『貴方が何の為に私を止めるのかは、正味、どうでもいいです。』












『私は貴方のせいで辞めます』





「,,,,,,。」







『私は、














.














_____________貴方をこの場で殺し、外交官と幹部を正式に辞めます。』





私かポケットから小型ナイフを取り出し、彼に向ける。

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作品ジャンル:恋愛
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青酸カリになったもち。 - うわーーー!!!続編ですね!!待ってます!!ウェヘヘヘッヘ…tnさぁん…いい性格ですねぇ…sypさんも…ヤンデレ…最高ですねぇ…ありがとうございますぅ…これからも体調に気をつけて頑張ってくださいね(*´∇`*) (2022年8月29日 2時) (レス) @page50 id: 28dab282bb (このIDを非表示/違反報告)
若草 翠(プロフ) - shpヤンデレルート、、、、!最高かよ、、、、! (2022年8月28日 18時) (レス) @page47 id: bb83475977 (このIDを非表示/違反報告)
ハーハート - 理性のある限り譲らない。 (2022年8月24日 19時) (レス) @page24 id: c689c7f624 (このIDを非表示/違反報告)
ハーハート - 喉から手が出る程欲しい。 (2022年8月19日 21時) (レス) id: c689c7f624 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://nanzi  
作成日時:2022年8月13日 12時

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