C'est la vie. (ページ26)

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ここ数日、まともな依頼は来てない。

依頼がこないことには仕事もないし。

照史にだけ簡単に状況を説明すると、今日は休もかと返ってきた。

体良く看病を押し付けられたような気もするけど。

重「…………なーんもないやんけ」

看病するにも必要なものを探すけど、何も見つからない。

買っといたはず……と考えたところで、前に照史の買った骨董品が多くなりすぎて、置く場所を作るために必要ないものを処分した時に一緒に捨てたことを思い出す。

時計を見ればそろそろ店も開き出す頃で。

買いに行くか。

この街は夜は忙しなく人が動くけど、代わりに昼は静まり返ってて。

ちょっと遠くまで行かなあかんな。

流星には少し買い物に行くことを伝える。

途端に申し訳なさそうになる顔に、大人しく看病されとけと返す。

重「あ、濵ちゃんや」

ちょうどええ所におった、なんてゲーセンで仕事中の濵ちゃんに声をかける。

濵「流星のこと見とけばええの？」

重「おん、今日は多分大丈夫やろうけど念の為」

濵「わかった」

なんか久々やな、こういうの。

なんて濵ちゃんが言う。

そういえば照史に連絡した時も似たようなこと言ってたななんて思い出す。

重「照史も同じこと言うてた」

濵「ほんまに？まあ、あの時は忘れようと思っても忘れられんよなあ」

ほんまにどうしようもなかったもんな。なんて笑う濵ちゃん。

あの時はまだまだ探偵事務所としては全然で。

勝手のわからんままに始めたものが直ぐに軌道に乗る訳もなく。

そんな時に頼りになったのが流星の人脈やった。

近くの他社への挨拶回りとか、人間関係においては流星がいるとスムーズに行ったけど、逆に流星がおらんとなんも出来なくて。

負担が偏りまくってた流星が体調を崩すのは当然で。

それでもなお流星に頼るしか無かった。

体調をかなり崩した流星を見るのはその時以来。