C'est la vie. (ページ19)

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中「ただいま～」

真っ暗な部屋の電気をつける。

中「……あっ」

日当たりのいい窓際。そこで彼は眠ってた。

せっかく寝れてるし起こすのもなんやからと、照明を暗くしてそばに落ちてた毛布をかける。

片付ける前に力つきてしまったんだろう、傍にはデリバリーの袋。

最近ずっと彼が食べてるもの。

栄養の偏りとか心配事はあるけど、食べてくれるだけで嬉しいから。

持ち帰ってきた仕事をしていると、ゴソゴソと動く音。

中「起きた？」

濵「……、」

俺がそう声をかけると、一瞬だけ視線が合う。

すぐに窓の外に視線は向いてしまったけど、こうやって、少しずつでも距離が縮まればいいと思う。

中「………………あー…………、やっぱないか…………」

日課のように目を通すのは、人探しのサイト。

彼の特徴で調べてみるけど、それらしい情報はいつも見つからず。

照史にも探してもらってはいるけど、進捗はなし。

彼を見つけた時、身元のわかるものは一切なく。

きっと訳ありなんやろうとは思うけど。

中「…………裸足、やったなあ……そういえば」

彼を拾った時、裸足でずぶ濡れやったけど、怪我とか痣は全く無くて。

雨で多少は流されてたとはいえ、裸足やった割に足裏の傷は浅かった。

………………もしかしたら、ここから近いのかもしれん。

あれからじっと窓の外を見つめ続ける彼。

きっと何かが変わるかもしれん。

やから1度、彼を外に連れていくのもいいかもしれないなんて、思う。