C'est la vie. (ページ16)

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赤 side

濵「で、話って何なん」

そういう濵田くんはめったに見ない不機嫌な顔で。

いつも穏やかな顔をして笑ってる濵田くんを見てる俺からしたら、こんな顔もできるんやって少し思う。

この時あの先輩なら、濵田くんの隣にいつもいたあの人ならなんて、少し頭によぎる。

それでも自分からその抱えてるものに触れたいと思ったから、これは自分で何とかせなあかんことと言い聞かす。

重「濵田くん、」

濵「やから、俺から話すことは何もないで」

言い出す前に、そう言われて逸らされる視線。

堂々巡りになりそうな会話。どう切り出そうか言葉が頭の中をぐるぐる回る。

重「濵田くんは今、幸せですか？」

濵「…………は？」

思わず零れた言葉に唖然とした顔の濵田くん。俺やって自分で何言ってんのって思ったもん。

重「やから、濵田くんは今幸せですか？」

きっとこの場に他のメンバーがいたら、言葉が足りてないとか言われるかもしれん。

濵「何言うてるん、幸せやで…………？」

けど濵田くんには伝わったみたいで。

俺でもわかるくらいに、幸せとは到底言えないような顔で、幸せって言うんやもん。

そんなん、多少強引でも聞き出さなあかんって思うから。

こういう時他のメンバーならもっと違う方法で聞き出せると思うけど、俺にはこれしか出来ないから。

重「嘘……ですよね。……苦しいって顔してますもん」

濵「……せやったとして、これは俺の問題やから」

重「やから、関わるな。……ですか？」

濵「せや」

重「……」

濵「…………後輩に弱いとこなんか見せれるわけないやろ……」

そうポロリと零れた言葉は紛れもなく濵田くんの本音で。

だからこそその零れ落ちた言葉を一つ一つ、救い上げたいと思った。