C'est la vie. (ページ15)

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濵「お疲れさまでした」

リハ終わり、足早にスタジオを後にする。

しげが何か言いたそうにしてるのはわかってるけど、見ないふり。

いつも通り誰にも声をかけられずに帰れると思ったところで、ぎゅっと腕をつかまれる。

重「濵田くん、話があります」

振り返るといつになく真剣な目をしたしげ。

その奥には苦笑いを浮かべた淳太と、こっちを心配そうに見てる弟組と目が合った。
掴まれた腕はどこにそんな力があったんか振り解けへん。

濵「俺は話ないし、帰りたいんやけど」

自分が思ったよりも低い声が出て驚く。
視界の端に少し怯えた表情の望が映る。

ああ、明日謝らななあ。

重「濵田くんには無くても、俺にはあります、」

だから、なんていっこうに引き下がらないしげ。
腕をつかむ力はさらに強くなって痛いくらい。

そうこうしてるうちにどんどん人が集まってきて。
だから早く帰りたかってんけど。

最初から何も言わずにこっちの様子を見てた照史に、

「崇裕もしげの話聞いたれや」

この人数の中でそう言われたら、引き下がるしかなくて。

濵「わかったから、どっか別の場所で」

そう言うと、じゃあここでと腕を引かれる。

照史がそっと微笑んだのが見えた気がした。