Love potion

お誘い ページ7

どうしよう……。

曜ちゃんから電話がきた…。頭では、出なきゃって思ってるのに通話ボタンを押せずにいる。私が焦っている間も聞きなれた着信音が鳴り続ける。

A 「もしもし…。」

曜 「出んの遅い(笑)出てくれへんかと思った。」

A 「ごめんなさい。なんか、びっくりして。」

曜 「まぁ、ええわ。それより、今暇?」

A 「えっ…、今? 暇ですけど…。」

曜 「ほな、一緒に飲まへん?」


はい? これは、曜ちゃんに会えるってこと?
全く状況の整理がつかない。

曜 「今、螢達もおるんやけどええ?」

A 「ぜ、全然いいです!! 行っても良いんですか?」

曜 「ホンマ? じゃ、迎えに行くわ。何処におる?」

A 「＊＊ホテルですけど、分かりますか?」

曜 「あー。分からんけど、カーナビで検索してみるから大丈夫。」

A 「あの…。柿谷選手?」

曜 「その呼び方、嫌やわ。」

A 「えっ?」

曜 「なんか、他人みたいやん。」

A 「じゃあ…なんて呼べばいいですか?」

曜 「んー。曜とか、曜一朗?」

A 「二択じゃないですか(笑)」

曜 「とにかく、柿谷選手なんて呼んだら返事せえへんから。」

A 「はーい。」

曜 「あと、敬語もなしやから。」

A 「うん。」

曜 「めっちゃ、聞き分けええな、A。」


今、Aって呼んでくれたよね…?憧れの曜ちゃんと会話してるんだよね…?

曜 「そやった、話って何?さっき、何か聞きたそうやったやん?」

A 「あ…。ううん、何でもない。柿谷選手、着いたら電話して?」

曜 「……。」


あれ……?電波が悪いのかな?

A 「あの…柿谷選手?」

何度呼んでも返事がない。

A 「切りますよ…?」

切れたのかと思い切ろうとすると、大好きな声が携帯から響いた。

曜 「何で、切ろうとしとるん?」

A 「だって、柿谷選手の返事がないから。」

曜 「ほら……またやん。その呼び方、直さへんと一生返事せえへんで?」

A 「あっ……。」

曜 「１回、呼んでみぃ?」

A 「…………曜。」

曜 「ん。ほな、行くから、待っとってな。」


曜は、満足そうに電話を切った。はぁ…。聞けなかった…。聞いたら、去って行きそうな気がしたから。


『何で、私にメアド教えてくれたんですか?』

「ただの遊び」って答えられるのが嫌だったのかもしれない。

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