Love potion

曜一朗side ページ6

貴宏 「曜一朗くん、そんなに頼んで食べられるん?」


タカの奢りで螢と三人で、焼肉屋に来たんはええけどさっきから機嫌悪いのはなんでや?
俺、協力してやったやん。
訳わからん…。

螢 「まぁまぁ(笑)でも、意外やったなー。タカが一目惚れするなんて。」

貴宏 「だって、めっちゃ可愛かったし！ 曜一朗くん、メール来た?」

来るわけないやん。
今頃、テンパってるんやないの?

螢 「俺は、レイちゃん派やけど。」


螢から発せられた久しぶりの名前。レイと別れて、一度も耳にせえへんかった名前。
いや、耳にせえへんかったんやなくて、耳にすんのが嫌やったのかもしれん。

……そやった。まだ、こいつらに話してないんやった。

貴宏 「曜一朗くん?」

曜 「…悪い、ちょっと飲みすぎたから外の風に当たってくる。」

螢 「平気なん? そーいえば、曜一朗くんあんま酒飲まへんのに今日はよう、飲んだな。」

貴宏 「曜一朗くんらしくないなー?」


…俺らしいってなんや?
レイを一途に想ってた俺?セレッソで、エースナンバー背負って戦う俺? それとも……『あの子』にときめいた俺…?

タカと螢を残し、店の外に出て風に当たる。

はぁ……。
正直、レイの話が出ただけでここまで動揺するなんて思わんかった。もう、忘れられたと思ったんやけどな。


♪〜♬*〜♪

携帯を見ると、見慣れないアドレスからやった。

曜 「誰や?」

よう、分からんままメールを開くと、俺がここに居る理由になったタカが惚れた『あの子』からのメールやった。

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Sub： 内田 Aです。



今日は、練習お疲れ様でした!!
えーっと、柿谷曜一朗選手ですよね?

これ、私の携帯番号です。
080-****-****

お返事、下さると嬉しいです。
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…ってか、何で敬語なん(笑)?
やっぱり、面白い。

電話番号もご丁寧に書いてくれた事やし、電話してみるか。


メール、来るか不安やったけどちゃんと来て良かった。また、会えるかもしれへん。
Aっていう名前なんやー。
ホンマに可愛かった。他のサポーター達とは何処か違うねん。
俺のユニフォームを持ってたって事は俺のファン?
…でも、ずっとうつむいておったし、一度も目を合わせようとしてくれへんかった。

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