Love potion

曜一朗side ページ17

ファン 『キャー!!曜一朗、めっちゃカッコええー！』


いつもと変わらん風景や。


多くのサポーターがピンクのユニフォーム着て応援しに来てくれとる。


けど……俺が会いたいのは大勢のサポーターやなくて、Aだけ。


昨日会ったばっかりなのに、もう会いたくなってる。

Aと楽しそうに笑うタカに嫉妬して、
Aを誰にも渡したくないって思った。






練習が終わってから、すぐ周りを見回した。


曜 「あっ!!Aー！」


俺が名前を呼べば、照れたように笑うそんな姿が愛おしくて、他のサポーターを無視してAの傍に行った。


Aと目が合って、嬉しくて嬉しくてはよ、会いたかったのに俺の好きな人が着てたんは……タカの背番号が書かれたユニフォームやった。


昨日、タカが送ってったて蛍から聞いたけど何もあらへんかった??

勢い余ったタカに告白されへんかった?


Aが昨日まで着てたユニフォームは、俺のやったやん…。


俺がAと話してたらタカも近寄ってきた。


何なん……?

なんで、そんな嬉しそうな顔でタカと話しとるん?

二人の姿を見てるのが辛くなって、急ぎ足でロッカールームに戻った。


曜 「はぁ。訳わからん……。」


イラつく感情と、悲しい感情が混ざったような気持ちを何かにぶつけたくてロッカーを勢いよく閉めた。


蛍 「……曜一朗くん。」


曜 「…蛍……居ったん?」

蛍 「はぁ…。ホンマに惚れてしまったんか?」

曜 「……。」

蛍 「レイちゃんとは別れたん?」

曜 「結構前に終わっとる…。」

蛍 「そうか…。さっき、タカとAちゃんが二人で居ったんやけどええの?」


今、俺はどんな顔しとるんやろ?
余裕ないだろーな。


曜 「ええよ。俺には、関係ない。」


そう言って、ロッカールームを出ようとしたら後ろから頭に何かが投げつけられた。


曜 「何すんねん!!」

蛍 「そんな情けない8番、見たないわ。意地ばっかりはっとったら、ホンマにタカに取られるで?」

蛍から投げられたのは、俺が背負わせてもらっとる『8』のユニフォーム。


蛍が言いたいことが、痛いほど分かる。


曜 「分かってる…。絶対に、タカには渡さへん。」


その時、俺の心の中で何かが吹っ切れた。



好きや…。
やっぱり、俺の傍におってほしい。
せやから、俺がタカからAを奪いに行く。

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