手記3 ページ3
何時もの様に人を狩る。
子供の力では大人に勝てる訳が無いから、基本的に奇襲だ。
闇に紛れて背後に回り込み、刺す。
ターゲットの口から漏れる断末魔と赤。
倒れ伏したその身体にもう二度三度刃を振りかざした。
「及川。」
施設に帰ってシャワーを浴びていると、ドアの向こうから岩ちゃんの声がした。
泡を洗い流してからドアを開ける。
目の前には、暗い岩ちゃんの顔があった。
「岩ちゃん、覚えてる？ 昔した約束。」
ああ、と肯定の呟きが返ってくる。俺は目を逸らしているから見えないけど、岩ちゃんの顔はきっと酷いものだろう。だって、声が震えてる。
「俺達、いつか幸せに……」
俺の言葉は、岩ちゃんの腕に遮られた。
岩ちゃんは、俺にしがみついて泣いていた。
背中を震わせて泣きじゃくる。
理由は、分かった。
今回の岩ちゃんのターゲットが、昔岩ちゃんを可愛がってくれた牧師さんだったから。
施設の大人の命令は絶対だ。
従わなければ自分が危ない。
酷い場所なんだ。
「俺たち、どうなるんだよ……」
岩ちゃんの嗚咽が、俺の心に深く食いつく。
噛み跡から思いが溢れて、俺も泣いた。
水が溢れて止まらない。
干からびてしまいそうだ、と変なことを思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪蛍 - 頑張って！ (2015年4月27日 23時) (
レス) id: 5f54e367f9 (このIDを非表示/違反報告)
celsius(プロフ) - 雪蛍さん» 文ストのパクリみたいになりそうでちょっと怖いw (2015年4月27日 23時) (レス) id: a60dc8f07d (このIDを非表示/違反報告)
雪蛍 - それでも、OK！(異能力×ホラー書こうとして失敗した) (2015年4月27日 23時) (レス) id: 5f54e367f9 (このIDを非表示/違反報告)
celsius(プロフ) - 雪蛍さん» 異能は多分出来るけど、ホラーは分からぬ…… 各校異能力対抗戦とかなら！ (2015年4月27日 23時) (レス) id: a60dc8f07d (このIDを非表示/違反報告)
雪蛍 - セルー！リクエスト良いかい？良いか分からんが、一応書いとくな。リクエストは、ハイキューキャラで、異能力×ホラーとか書ける？ (2015年4月27日 23時) (レス) id: 5f54e367f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：celsius | 作成日時：2015年4月27日 15時
