37.狂おしい←1/2 ページ6
二宮「Aちゃん…」
キングサイズのベッドにかかった天蓋がテラスから入る夜風に優しく揺れる
波の音をも無音にしてしまう彼の声
二宮「どうかした？」
「すみません」
二宮「何」
「″Aちゃん″って和也さんに言われると嬉しくて」
この歳になると″ちゃん″付けに呼ばれる事は減るし
私自身もそんな可愛い響きが似合う性格でもないけど
二宮「え？」
でも…
「勿論″A″って呼ばれるのもドキドキするんですけど」
呼び方だけ
それだけでも特別
「和也さんのその声で″Aちゃん″って呼ばれると心ごと甘やかされてるようで」
甘えていい唯一の場所が和也さんだなんて
私は世界一幸せ者だって
二宮「そっか…」
夜風に合わせるように彼の冷たい柔らかな指先が私の頬をなぞる
二宮「それじゃ…………″A″ちゃん？」
指先が髪を避けるようにして耳のうらにさしこまれ
「はい」
伏し目がちな艶やかな瞳が私を一瞬にして捕らえる
二宮「ホント…可愛い人だね、貴女って人は」
掠めるキスの後
焦らすような視線と唇にあたる熱ぽい吐息
二宮「愛してる」
「私も……………愛してる」
私の言葉に応えるように彼は優しく瞳を歪めると
どちらともなく重なる唇
何度も
何度も
満たされては
足りないと求める唇
ぎゅっと彼の背中に回した腕に力を入れると
彼は私の顎を掴まえ指先に引き下げる
誘導されるように唇を開くと
彼の柔らかな舌先が入ってきた
ゆっくりと
焦らすように舌を絡めとられる
″愛されてる″って伝わるキスに終わりは見えなくて
だけど和也さんにならされた身体
それだけで満足出来なくなる
二宮「Aちゃん」
「は…い」
開いた目蓋
ぼやける視界に彼はその優しい声とは逆に意地悪く笑う
二宮「ここからは俺の欲望優先で抱くよ？」
そして
「えっ…よっ、欲望優先って？…ひゃっ！？」
ベッドにうつ伏せになるようにひっくり返された身体は
後ろ手に腰の部分に手首をまとめあげられると
天蓋についていた紐をはずし私を拘束する
あっという間に封じ込まれた動き
彼の舌が私の耳裏に這い
二宮「俺が尽きるまでってこと」
鼓膜をも犯 していく
その声だけに身体がうちふるえて
逃せない熱に身悶える私を見て
彼は浅く笑う
「和也さ…ん？」
二宮「ごめんねAちゃん」
そして彼は嬉しそうに微笑んだ
38.InnerMessage←1/5→←36.All year around falling in love
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 952人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
aracick5963(プロフ) - 更新ありがとうございました。最後にオーナー登場嬉しかったです。いろんなお話楽しませて頂きました。Xにもお邪魔したいですけど、私ほぼ閲覧なので諦めます。また機会があれば、お話よませてくださいね。 (11月30日 0時) (
レス) @page21 id: 4219fda75e (このIDを非表示/違反報告)
2-38(プロフ) - みかぽさん» みかぽさん、コメントありがとうございます！お祝いのお言葉とても嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです！色々とあり寂しいですがこちらでほっこりしていただけたら嬉しいです。 (11月29日 10時) (レス) id: 669851ff1c (このIDを非表示/違反報告)
2-38(プロフ) - ラッシーさん» ラッシーさん、コメントありがとうございます！すごくよくわかります！ファンとして色々と複雑な感情ですよね。今回の最後に大野さん目線なのはやっぱり大野さんの存在の大きさというか上手く言えませんがリアルもお話も絶対的な存在だなってしみじみ思います。 (11月29日 10時) (レス) id: 669851ff1c (このIDを非表示/違反報告)
2-38(プロフ) - 愛渚さん» 愛渚さん、こちらへのコメントありがとうございます！そうですよね、色々と有りすぎて私達がどうにか出来ることでもないので安心し、また彼等を応援できるようになりたいっと願うばかりです。彼スーお時間ありましたらまた是非に！ (11月29日 10時) (レス) id: 669851ff1c (このIDを非表示/違反報告)
2-38(プロフ) - ともさん» ともさん、コメントありがとうございます！長い間お待たせしてしまったにも関わらず最後までお付き合いくださり感謝の気持ちでいっぱいです。また既存作品の更新を進めていく予定なので覗いていただけたら嬉しいです。 (11月29日 10時) (レス) id: 669851ff1c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：2-38
| 作成日時：2020年12月17日 22時
